F-01JのIris Passportでは、赤外線カメラのフィルター処理も改善されている。見た目的には従来の赤外線カメラと変わりないが、従来よりも虹彩を明るく鮮明に記録できるようになった。先述のソフトウェアアルゴリズムの改良も相まって、従来よりも移動中や炎天下での認証通過率が向上したのだ。
移動中の認証通過率の向上は、F-04G、F-02HやF-04Gと比較して確実に改善している。端末がブレブレな状態でも、サッと虹彩を読み取ってくれる。
ただし、改善したとはいえ、かんかん照りの炎天下での認証はカメラの特性上通りにくいことがある。その場合は、虹彩認証と同時に登録した予備認証方法でロック解除をするか、Androidの標準機能であるSmart Lock(参考記事)を利用した認証の省略を検討しよう。
日常の場面では、画面のロック解除にIris Passportを使うことが一番多くなるだろう。しかし、画面ロック解除以外にも、Iris Passportが利用できるシーンはある。
例えば、ドコモが提供する「dアカウント」との連携登録をすれば、ドコモサービスの利用時にIris Passportを使って本人認証を行える。利用するには、端末設定内の「dアカウント設定」から「生体認証の設定」を行おう。
また、arrowsオリジナル機能である「パーソナルノート」の認証にもIris Passportを利用できる。パーソナルノートは、WebサイトやアプリにおけるID・パスワードを事前に登録しておくことで画面表示時にすぐ呼び出せる機能で、以前の機種では「パスワードマネージャ」と呼ばれていたものだ。パーソナルノートでは、特にID・パスワードを呼び出す時のユーザーインタフェース(UI)を改善しており、よりセキュアに使えるようになった。
F-01JのIris Passportの改良は、見た目にはほとんど分からない。ある意味で地味な機能改善だ。しかし、その地味な改良が、より快適な虹彩認証を実現している。見せかけではない機能改善は、ある意味でF-01Jの実用性重視の姿勢と合致するものだ。
ドコモ取扱店でF-01Jの実機展示を見かけたら、ぜひ「虹彩認証体験」アプリを開いてみてほしい。虹彩データ登録から実際の認証まで、Iris Passportを体験できる。F-01Jの購入を検討している人は、このアプリでより“一瞬”に近づいたIris Passportを体験してみてほしい。
なお、このアプリは店頭限定ではなく、市販のF-01Jにもプリインストールされている。身近にF-01Jユーザーの知人がいたら試させてもらうのも良いだろう。もちろん、まだF-01JでIris Passportを使ったことのない人もぜひ体験してみよう。
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