「The 電話」の使い勝手は? シンプル過ぎるケータイ「Simply」をじっくり試す(1/4 ページ)

» 2017年08月31日 10時10分 公開
[小林誠ITmedia]

ガラホ、ケータイ、スマホと比べて際立つシンプルさ

 Y!mobileのセイコーソリューションズ製「Simply 603SI」は、Androidを搭載した携帯電話だ。タッチパネルはなく、カーソルキーやテンキーはハードウェア型。画面下にソフトキーが表示される。見た目はかつてのケータイ(フィーチャーフォン)だ。

 しかし機能は電話、メール、カメラ、赤外線通信、ブラウザなどに厳選されている。他にも細かな機能はあるが、近年のスマホ、ガラホ、そして全盛期以降のケータイ(フィーチャーフォン)と比べても機能は少ない。アプリの追加もできない。

 だがこのシンプルさが魅力であり、新鮮である。いじっていると、ほほ笑んでしまうほど。これはこれで楽しいのだ。短期間ではあるが1週間ほど使い続けたので、その感想をまとめたい。

Simply 603SI
Simply 603SI 8月10日に発売されたY!mobileのストレートケータイ「Simply 603SI」。プラスチック感があるため高級感はないものの、気楽に使えそう
Simply 603SI 編集部のiPhone 5sとサイズを比較。Simplyは高さこそあるが、コンパクトな携帯電話といってよいだろう
Simply 603SI 筆者所有の端末と比較。左からケータイのSH-02B(3.4型)、ガラホのSHF31(3.4型)、Simply(2.4型)、そしてスマホのQua phone PX(5.2型)

しっかり持てて片手操作も安心 充電と音楽再生はMicro USB経由で

 持ちやすさは幅広のスマホと比べれば優れている。幅は50mm、高さ132mmとストレート型らしい背の高さ。厚さは13.8mmとスマホ基準で考えるとぶ厚いが、片手でしっかり握れる。片手操作でもホールドしつつ、カーソルキー周りも含めてキーボード全体に指が余裕で届く。

Simply 603SI キーボード全体に指が届き、無理なく片手操作ができるサイズ

 タッチパネルではないので画面に指が届く必要はない。側面にはボタンが一切ないので、全て正面のキーボード操作で済む。充電は下部のMicro USB端子に挿して行い、Androidスマホの充電器があれば流用できる。

 なお丸型のイヤフォンジャックはない。イヤフォンを使いたければ、Micro USB端子に挿せるイヤフォンやアダプターを使う必要がある。

Simply 603SI 充電は底部のMicro USB端子から行う

 筆者が以前使っていたMicro USBタイプのイヤフォンで試してみたところ、音楽の再生はできたが、バックグラウンド再生ができなかった

Simply 603SI Micro USBタイプのイヤフォンで音楽を再生
Simply 603SI ストラップホールもあるので、ケータイやPHSで使っていたお気に入りのストラップを引き続き使える
Simply 603SI 背面カバー、バッテリーは外せる。バッテリーの下にnanoSIMとmicroSDのスロットがある

通信速度は実測で10Mbpsほど

 Simplyの通信は下り最大112.5Mbpsの4G(FDD-LTE)と3Gに対応しているが、Wi-Fiとテザリングには対応しない。SIMロックされているが、購入から101日以降はSIMロックを解除できる。

 筆者の行動範囲(横浜中心)では常に4Gへとつながっていた。アンテナの本数も4本全て立っている状態。通信速度を計測してみたが、アプリを使えないため、ブラウザで通信速度計測サイトを利用。結果、下り10Mbps程度をコンスタントに出していた。

Simply 603SI 速度測定サイト「BNRスピードテスト画像読込み版」の測定結果(左)。ソフトバンク網だけに、通信速度が遅くなりやすいランチタイムでも下り10Mbps前後を維持。ただその速度を生かす機能があまりないけれども……

 高音質の通話が可能なVoLTE、HD Voice(3G)への対応もウリだが、ソフトバンクとY!mobileの対応機種同士で利用できるサービスのため、今回筆者は体験する機会がなかった。他のケータイ会社や固定電話との通話は3Gとなる。

 もっとも通常の3Gの通話でも、かつてのケータイはもっとザラついた音だったように思う。それと比べれば聞こえやすい。また通話中に音質の設定も変更できる。

Simply 603SISimply 603SI 残念ながら今回は3Gの通話しか試せなかった(写真=左)。音質調整の設定。「まろやか」は音が若干こもり、「はっきり」は音が高くなる感じ。それぞれ違いを感じられる(写真=右)

 シンプルさがウリとはいえ、簡易留守録(クリアキーの長押しでオン・オフ)、留守番電話(ボイスメール)はちゃんと用意されているのはありがたい。

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