実用にはどう? カードサイズのSIMフリーケータイ「NichePhone-S」を試す(後編)(3/3 ページ)

» 2017年11月26日 07時00分 公開
[井上翔,ITmedia]
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Wi-Fiテザリングもできる 設定すればソフト更新も可能に

 「カードサイズのコンパクトケータイ」というイメージの強いNichePhone-Sですが、実はWi-Fiテザリング機能も備えています。2.4GHz帯(IEEE 802.11b/g/n)での通信に対応しています。

 テザリング本体の「接続」ボタンを押し、「Wi-Fiテザリングをオンにする?」と聞かれたら「OK」ボタンを押せばテザリングが始まります。

 SSID(Wi-Fiのアクセスポイント名)や暗号化のオン/オフ切り替え、暗号化キー(Wi-Fiパスワード)の設定・変更をしたい場合は、設定画面の「Wi-Fiテザリング」から行えます。また、Wi-Fiテザリングに使うAPN(モバイル通信の接続先)は、同じく設定画面の「モバイルネットワーク」から設定できます。

 バッテリー容量が550mAhで少ないことと、モバイル通信が3Gのみであることを考えると、NichePhone-SのWi-Fiテザリングは「オマケ」と見ると良いかもしれません。

Wi-Fiパスワード設定中 Wi-Fiテザリングの設定変更画面。ベースとなっているAndroidと同じ感覚で行える

 なお、NichePhone-SではWi-Fiテザリング中にソフトウェア更新データをダウンロードするようになっています(参考リンク)。当然、ダウンロード時にはデータ(パケット)通信が発生するのですが、テザリング時を含め、NichePhone-Sにはデータ通信量を確認する機能はありません。今後のアップデートで容量確認機能が付くと良いのですが……。

Bluetoothやボイスレコーダー機能もあり 充電アダプターは紛失注意

 NichePhone-Sは、Bluetooth 4.0も内蔵しています。Bluetoothヘッドセットを接続すれば、ハンズフリー通話ができますし、Bluetoothオーディオデバイスを接続すれば、ミュージックプレーヤー(MP3、WAVファイル対応)で音楽を流すこともできます。

 コンパクトサイズの端末ゆえに「スマホの子機(ヘッドセット)として使いたい!」と思う人もいると思いますが、残念ながらヘッドセットとして使う機能は搭載していません。NichePhone-S自身で通話できるので、ある意味では不要な機能かもしれませんが……。

Bluetoothも内蔵 Bluetoothも内蔵

 NichePhone-Sは、ボイスレコーダー機能も備えています。本格的なボイスレコーダーと比べると「録音だけ」というシンプルなものですが、会議の備忘録としての録音には十分実用できる性能を備えています。

ボイスレコーダー機能 ボイスレコーダー機能も搭載

 ただし、NichePhone-Sで自由に使えるストレージ領域は約100MBなので、ミュージックプレーヤー、あるいはボイスレコーダーとしての利用もあくまで「簡易」と見るべきです。データは定期的に保存・削除をするようにしましょう。

 ミュージックプレーヤーの音楽データやボイスレコーダーの録音データのやりとりは、付属のMicro USBケーブルと「DCプラグ」を使ってWindows PCと行います。Windows PCからは、Androidスマホと同様にMTP(Media Transfer Protocol)デバイスとして認識されます。

 DCプラグは充電にも使うもので、磁力で本体と密着するポゴピンタイプとなっています。本体の実装面積などを考えてポゴピンになったのだと思うのですが、汎用(はんよう)性やDCプラグ紛失のリスクを考えて、できればMicro USBケーブルを直接差し込めるようにしてほしかったです……。

 ちなみに、紛失・破損時に備えて、NichePhone-S用のDCプラグ(やSIMカードスロットのふた)はAmazon.co.jpで購入できるようにする予定だそうです。とりあえず、万が一の時も安心といえそうです。

DCプラグ 充電やデータ転送は、Micro USBケーブルとポゴピンタイプの「DCプラグ」を介して行う。DCプラグは紛失に注意したい

まとめ:本当の意味での“実用性”は次期モデルに期待

 NichePhone-Sは、都市部で「音声専用のサブ端末」として使うには現時点で良い選択肢の1つです。想像していたよりも音声通話の品質は良好で、レスポンスも悪くありません。

 しかし、W-CDMAのBand 1にしか対応していないため、山間部など他のバンドで整備されたエリアでの利用に難があります。対応バンドの少なさが返す返すも残念です。次期モデルではせめて、ドコモの「FOMAプラスエリア」やソフトバンクの「プラチナバンド」には対応してほしいと思います。そうすれば「“最強の”音声通話用サブ端末」の地位を築けるでしょう。

 また、サイズとのせめぎ合いになりますが、充電やデータのやりとりを直接Micro USB端子で搭載すると良かったと思います。次期モデルを出す際には、ぜひ対応バンド拡大に並ぶ検討項目に加えてほしいです。

 ともあれ、NichePhone-Sは「安価で持ち運び安い音声通話用携帯電話」という選択肢もアリだと気付かせてくれました。大きくなりすぎたスマホでの通話に辟易(へきえき)としている人は、ぜひ手に取って確かめてみてください。

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