今回のGoogle I/Oで、グーグルはやたらと「Digital Well-being」という言葉を使い始めた。これからは「健全なデジタルライフ」を送るべきとでも言えるだろう。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2018年5月12日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
このDigital Well-beingを実現するため、Android Pでは、「ダッシュボード」として、アプリの実使用時間を確認できるようになっている。実際、どれくらいアプリを使っているかを可視化することで、使いすぎを防ごうというわけだ。
さらに注目なのが、「App Timer」機能で、予め設定した時間、アプリを使ってしまうと、アプリのアイコンが白黒になってしまい、使えなくなってしまうようになっている。強制的にアプリを使わないようするというわけだ。
おそらく、この手の機能は、大人であれば自分で設定を変えてしまうことができるわけで、あまり意味が無い。
やはり、この機能に期待したいのは「子どものスマホ利用」ではないだろうか。
子どもにスマホを与える場合、日本では各キャリアが配布している「あんしんフィルター」というアプリが存在する。名前こそ一緒だが、機能などは異なっており、メディアとしては「まとめて紹介する」というのが難しかったりする。
ちなみに、Googleアカウントは、これまで13歳未満は取得できなかったが、先日、日本でも「ファミリーアカウント」が開始となり、13歳未満でも取得が可能となった。ファミリーアカウントにより、Google Playからダウンロードするアプリを保護者が許可(あるいはブロック)できたり、1日の使用時間や利用できない時間の設定が可能となっている。保護者の端末から、子どもの各アプリの利用状況を確認することもできる。
また、先頃発売された家庭向けWi-Fiルーターである「Google Wi-Fi」ではFamily Wi-Fi機能により、特定の端末に対して、決められた時間帯にネットに接続できないよう制限をかけられるようになっている。
今回、グーグルは機能的にスマホ中毒に歯止めをかけるような機能を盛り込んできたが、やはりユーザーに認知されないと意味が無い。
グーグルは機能強化だけでなく、「どの機能をどのように使えば、子どもをスマホ中毒から守れるか」といった啓蒙活動も一緒にやっていく必要がありそうだ。
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