楽天のMNO参入でどう出る? ドコモダケはどこに? ドコモ株主総会 質疑応答(1/2 ページ)

» 2018年06月19日 20時19分 公開
[田中聡,ITmedia]

 NTTドコモが6月19日、第27回定時株主総会を開催。ドコモの吉澤和弘社長が事業報告をするとともに、株主からの質問を受け付け、吉澤氏をはじめとする役員が答えた。

NTTドコモ NTTドコモの吉澤和弘社長

 事業報告で多くの時間を割いたテーマが「5G」「ポイント」「AI」だ。

 ドコモは、2020年とその先を見据えた中期戦略として「beyond宣言」を掲げている。この宣言には、次世代通信規格の「5G」で豊かな未来を作っていくことが含まれており、パートナーとの協創によって、新たなサービスや産業を創出していくことを目指す。「5G開始当初から、ネットワークとサービスを同時に提供することを目指している」と吉澤氏は話す。

NTTドコモ ドコモが掲げる中期戦略「beyond宣言」

 ドコモは他社と5Gのさまざまな実証実験を行っているが、吉澤氏はその一例として、東京スカイツリーで実施した、5G試験用電波を利用した8Kライブ映像の配信や、人型ロボットの遠隔操作システム、小松製作所との連携による建築機器の遠隔操作などを紹介した。

NTTドコモ 5Gでは幅広いパートナーとサービスを開発、提供していく

 ポイント事業に力を入れるのは、パートナーの商流を拡大させるため。従来の回線契約を中心とした顧客基盤よりも、回線契約に縛られないポイント事業を重視し、「2020年度までにdポイントを日本最大級のポイントプログラムにする」と吉澤氏は意気込む。

NTTドコモ 2017年度の年間発行ポイントは、2016年度の1.5倍に増えた

 AIについては、5月30日に開始したAIエージェントサービス「my daiz(マイデイズ)」が大きなトピック。ユーザーの行動や思考を学習することで、最適な提案や通知をしてくれるというもの。吉澤氏によると、my daizのアプリは既に100万ダウンロードを超えており、「生活に溶け込む究極のAIエージェントだ」と同氏は自信を見せる。my daizは外部パートナーのサービスを連携させられるのも特徴で、まずは33のサービスが対応する。

NTTドコモ 「my daiz」はドコモのサービスと、外部のサービスと連携できる

海外や5Gの戦略

 質疑応答では、多種多様な質問が株主から挙がった。その中から、読者の皆さんに興味を持ってもらえそうな内容を紹介したい。

NTTドコモ 中山俊樹氏

―― ドコモは海外戦略があまりうまく行かなかったと聞いている。海外戦略をどう進めていくのか。

中山俊樹副社長 海外ではいくつかの事案で苦戦し、必ずしもうまくいかなかった。ただ、アジアでは一部の国と出資の関係にあり、「コネクサス・モバイル・アライアンス」という、キャリア同士でチームを組んで、通信のしやすい環境を作れるよう連携し合う仕組みも持っている。

 グローバル戦略では「コミュニケーション」「プラットフォーム」「スマートライフ」という3つの柱がある。コミュニケーションは、ローミングに加え、訪日外国人が使いやすい環境を提供することが含まれる。プラットフォームはキャリア決済。ケータイで課金したり決済したりするのが流行している。その後ろの仕組みをドコモグループが40を超える国で提供している。スマートライフは、ドコモのスマートライフを海外へ展開するもの。dポイントがご愛顧いただているが、海外でも利用いただけるよう、各国と各エリアのパートナーと話し合いを進めている。

NTTドコモ 中村寛氏

―― 5Gをやるということだが、これの利用(シーン)について小松(製作所の遠隔操作)しか説明がなかった。他に展開していることがあれば教えてほしい。

中村寛取締役 5Gは2020年にサービスを開始するが、48の事例をトライアルサイトで展開している。新日鉄住金ソリューションズとの実験では、危険を伴う工事現場などを想定したロボットの遠隔操作を行っている。和歌山県立医科大学とは、地方の村や町の診療所で、遠隔診療を行っている。5Gでは1400社と協創し、(無償で5Gの技術検証環境を提供する)「オープンパートナープログラム」も提供している。

震災対策は万全か

―― (大阪での地震を受けて)災害対策は大事だと思うが、災害対策は直接収益に結び付くものではない。どこまで対策をするのが非常に難しいと思うが、災害対策に対する設備投資の方針を教えてほしい。設備投資額に占める費用の割合はどのぐらいか。

田村穂積取締役 災害対策の方針は、大きく「平常時」と「災害時」の2つに分けている。平常時には、災害が発生したとしても通信サービスが途絶えないよう、伝送路の多重化、装置の二重化、装置の分散を行い、コストと信頼性を考慮してネットワークを構築している。これにより、昨日のような(大阪北部の)災害に対しても円滑に対応できたと思う。

吉澤氏 災害時の投資額について、実際に平時でもしっかり快適につながるようにを含めてやっている。それに特化した投資額はないのでご理解いただきたい。

NTTドコモ 田村穂積氏

―― (大阪の地震を受けて)ドコモは屋上やビルの施設にアンテナを設置しているが、安全対策はされているのか。事故があると株価が下がるので、株主を安心させるためにも、どのようにメンテナンスしているかの見学ツアーを実施してほしい。

田村氏 (アンテナを設置する)鉄塔は建築基準法の基準を満たしていることに加え、震度6〜7程度の地震や、地域ごとに定める風速にも耐えうるよう設置しているので、最大級の地震や台風が来ても耐久性がある。

吉澤氏 日本は地震大国、台風の多い国であり、そういったものに対する安全基準を強化している。台風が来ても絶対に倒れないような鉄塔設備やアンテナを作っている。

中山氏 株主様向けに、ネットワークオペレーションセンターの見学会を開催する。希望者全員ではなく、まだ抽選だが、もっと機会を広げて、災害やネットワークをどう守っているかを見ていただきたいと思う。

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