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» 2018年12月01日 06時00分 公開

石野純也のMobile Eye:“王道”の戦略で国内外のシェアを高めるHuawei 課題は米国市場の攻略 (1/3)

トリプルカメラ搭載の「Mate 20 Pro」を日本で発売したファーウェイ。グローバルでハイエンドモデルの拡販に力を入れているファーウェイだが、日本でも、その成果が徐々に出始めているようだ。市場動向や同社の戦略を解説していく。

[石野純也,ITmedia]

 ファーウェイ(Huawei)が、トリプルカメラ搭載の「Mate 20 Pro」を日本で発売した。2017年モデルの「Mate 10 Pro」と同様、SIMロックフリーモデルに加えて、大手キャリアではソフトバンクが独占的に提供を行う。

 グローバルでハイエンドモデルの拡販に力を入れているファーウェイだが、日本でも、その成果が徐々に出始めているようだ。ここでは、同モデルの特徴を振り返るとともに、市場動向や同社の戦略を解説していきたい。

Huawei トリプルカメラを強化したフラグシップモデルの「Mate 20 Pro」を発表したファーウェイ

トリプルカメラに超広角が加わり、AIも大幅進化したMate 20 Pro

 Mateシリーズは、大画面を備えたフラグシップモデルという位置付けのモデル。NTTドコモが独占提供した「P20 Pro」や、SIMロックフリーで発売された「P20」などのPシリーズよりも、ややビジネス色を強くしているのも特徴だ。大画面でボディーが大きくなったことを生かし、バッテリーも4200mAhと大容量だ。

Huawei Mate 20 Proはディスプレイが6.39型と大きく、ビジネスマンからの人気も高いという
Huawei 4200mAhの大容量バッテリーを生かし、ワイヤレス給電で他の端末や周辺機器を充電できる機能も搭載した

 もともと、ファーウェイはPシリーズでカメラを強化し、Mateシリーズではそれを踏襲しながらよりベースの性能を高めていたが、ユーザーのニーズを踏まえ、そのサイクルを変えたという。同社で端末開発を率いる李昌竹(Li Changzhu)氏は、次のように語る。

 「以前は、カメラで大きなイノベーションを起こすときには、まずPシリーズに新機能を搭載してきた。ただ、今はPとMate、それぞれが出るたびにカメラが進化している。それは、ユーザーがカメラに対して大きく期待しているからだ。新しい技術が成熟したら、PかMateのどちらかに載せ、世の中に届けていく。最新モデルであれば、何かしらの新しい要素が加わっているようにする」

Huawei カメラの刷新サイクルを早めていることを語る、ファーウェイの李氏。端末事業のバイスプレジデントを務める

 実際、Mate 20 ProはP20 Proとトリプルカメラのセンサー構成を変え、モノクロカメラの代わりに超広角カメラを搭載。超広角、標準、3倍と画角で利用するセンサーを変更する仕組みに改めている。モノクロカメラを搭載していたのは、より光を多く取り込むためだが、メインのセンサーやISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)の性能が向上したことで、こうした仕組みは不要になったという。

Huawei カメラの数はP20 Proと同じだが、モノクロカメラではなく、超広角カメラを新たに搭載した
Huawei
Huawei
Huawei 通常の画角と超広角、3倍をボタン一発で切り替えることが可能

 Mate 20 Proはプロセッサも刷新。ファーウェイ傘下のハイシリコンが開発した「Kirin 980」が採用され、AIの処理をつかさどるNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)がデュアルになった。この性能向上の恩恵を受けられるのが、ビデオ撮影だ。

 Mate 20 Proではビデオ撮影時に「AIカラー」というモードを選ぶと、人物をAIが認識。背景のみ、カラーをモノクロにすることができる。細かく見ていくと多少の粗はあるが、後編集ではなく、リアルタイムでこれができるのは、NPUの処理能力の高さがあってこそといえる。

Huawei AIでシーンを認識し、設定を最適化する機能は、引き続き搭載する
Huawei 人物をリアルタイムで認識し、背景をモノクロにする「AIカラー」。動画でこれができるのは、驚きだ

 AIを生かした機能に関しては、「まだ応用が始まったばかりで、初級的なことしかできていないという認識」(李氏)だが、単純な撮影以外への展開も進めている。AIを使って食べ物のカロリーを表示させたり、撮影したものをショッピングサイトで検索したりといったことが可能。プロセッサの処理能力が上がったことで、端末に実装される機能はP20 ProやP20のころより増えている。

 また、Mate 10 Proに続き、Mate 20 ProもSIMロックフリーとしてだけでなく、ソフトバンクからも発売になる。残念ながら、ドコモから発売されたP20 Proのように、おサイフケータイなどの“日本仕様”には対応しておらず、デュアルSIMなど、一部機能はカットされているが、ソフトバンク向けには限定色としてブラックを用意。Mate 10 Proでは、SIMロックフリー版が先行し、ソフトバンクが遅れて夏モデルとして投入したが、Mate 20 Proでは足並みをそろえての発売になる。

Huawei SIMロックフリーモデルに加え、ソフトバンクも取り扱いを表明した。限定色のブラックも発売される
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