“王道”の戦略で国内外のシェアを高めるHuawei 課題は米国市場の攻略石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2018年12月01日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

SIMフリー市場だけでなく、全スマホでもシェアトップ5に

 フラグシップモデルの完成度が半年ごとに高まるファーウェイだが 、市場でもその評価は徐々に上がっていることがうかがえる。Mate 20 Proの発表会に登壇したファーウェイ・ジャパン デバイス部門のプレジデントを務める呉波(Wu Bo)氏は、「日本では、SIMフリーとキャリア端末を合わせた端末販売台数で、Android端末の1位を獲得した」と胸を張る。

Huawei 好調な業績に自信をのぞかせる呉氏
Huawei SIMフリーとキャリアの両市場を合わせたAndroidスマートフォンのシェアでも、1位を獲得できたという

 これはBCNのデータで、キャリアショップなどが含まれていないため、必ずしも実態を正確に反映しているとはいえないが、勢いを増していることは事実だ。MM総研が発表した2018年上半期のスマートフォン出荷台数では、SIMロックフリー、キャリアの双方を合わせてトップ5の位置につけた。

Huawei 日本でのシェアは5位につけるまでになった。成長率の高さも首位に輝いた

 2018年に入り、フラグシップモデルだけでなく、「P20 lite」や「nova 2」「nova lite 2」などのミドルレンジモデルもキャリアに納入するようになり、販売台数は着実に増加していることがうかがえる。2017年にはauが、2018年からはソフトバンクが分離プランを主軸に据えており、これもファーウェイのミドルレンジモデルにとっての追い風になっている。

Huawei ミドルレンジモデルの「P20 lite」は、発売以降、順調に販売台数を伸ばしている

 ファーウェイは、フラグシップで技術力やブランド力を高めつつ、ミドルレンジで数を稼ぐ戦略を取る。グローバルでファーウェイの販売を統括する徐欽松(Jim Xu)氏によると、欧州では「ほとんどの国でわれわれのシェアは20%を超えており、一部の国では30%ものシェアを獲得している」というが、実売に関しては「liteのつくミドルレンジの製品が一番大きなボリュームになっている」という。フラグシップモデルは、「消費者がブランドを認めるきっかけになる」という位置付けだ。

 日本でもこの戦略は踏襲されており、実際、夏モデルとして投入したP20 liteは、販売が非常に好調だ。週次の販売データを見ると分かるが、ランキングがiPhone一色の中でも、唯一P20 liteだけがそこに割って入ることが多い。P20 liteはY!mobileやUQ mobileなどのサブブランドでも展開されており、こちらでも好調。コストパフォーマンスに優れた端末として、ユーザーからはもちろん、キャリアからの評価も高い。

Huawei ファーウェイの販売戦略を語る徐氏。フラグシップモデルの重要性を力説した

 フラグシップモデルで名を売り、実売はミドルレンジ以下で取るというのは、SIMロックフリーの比率が高い海外市場だと一般的な戦略で、ファーウェイに限った話ではない。ただし、このサイクルをうまく回すには、フラグシップモデルが魅力的である必要がある。同時に、ミドルレンジモデルは一定のクオリティーを保ちながら、コストを抑えて作らなければならない。戦略としては王道だが、それを実践できているメーカーは思いのほか少ない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月13日 更新
  1. スタバ長時間滞在、なぜ「一律ルール」設けない? “スマホでゲーム、PCで仕事も…広報見解は (2026年06月12日)
  2. 新エントリースマホ「arrows We3」発表 コンパクトな高耐久ボディーに5000mAhバッテリーや新カメラを搭載 (2026年06月11日)
  3. 「JALモバイル powered by ahamo」のお得度を検証 本家ahamoやIIJmio版とは何が違う? (2026年06月12日)
  4. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  5. 「日本通信アプリ」の新バージョン提供開始 FPoS対応で本人確認のセキュリティを強化 (2026年06月11日)
  6. 20万円超も珍しくない高額スマホ時代、「スマホ保険」の選び方と料金の目安は? (2026年06月12日)
  7. 「Nintendo Switch 2」が“転売ヤー”の餌食に 多言語版の買い占め→「プレイ50時間」条件復活 (2026年06月12日)
  8. なぜ? マクドナルド「巨大セルフ注文端末」に批判殺到の理由 UI/UXに価格表示まで……直面している課題とは (2026年05月14日)
  9. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  10. あのシャープが「ウェアラブル」に参戦? スマホ「AQUOS」新製品予告 詳細は16日に発表 (2026年06月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー