W06とHOME L02の下り1237Mbps対応エリアですが、auとUQの説明ではこうなっています。
2019年1月25日時点では、東京都、埼玉県の一部エリアで提供します。対象エリアは今後順次拡大予定です。
「東京都、埼玉県の一部」ということで、具体的にどこで使えるのかが示されていません。au、UQ双方のエリアマップを見ても、どこで高速通信できるのかよく分かりません。
UQではWiMAX 2+の下り最大440Mbps対応エリアについては、地図ベースで調べられるようになりましたが、auは下り最大75Mbps超の4G LTEエリアを未だに詳しく調べられません。
auの100M〜370Mbps対応エリアについては住所ベースで調べられますが、地図表示は非対応。au 4G LTEとWiMAX 2+を組み合わせた下り最大958Mbps・1237Mbpsエリアは地図で確認できない上、先の引用のような「○○の一部エリア」というような曖昧な書き方になっています。
2社のネットワークを組み合わせているという都合もあるのでしょうが、もう少し詳しく、せめて住所ベースでもエリア情報を出してもらえると、購入時の参考にしやすいと思うのですが……。
下りだけとはいえ、1Gbps超の通信を実現したW06とHOME L02。ただし、フルスピード対応エリアでも、それを生かせる条件は限られます。
両機種共に、Wi-Fi(無線LAN)の最高通信速度は867Mbps(約108MB/秒:IEEE 802.11ac規格で2×2 MIMOに対応するデバイスとの通信時)。HOME L02が備える有線LANポートの最高通信速度は1Gbps(125MB/秒:1000BASE-T接続時)。いずれもモバイル通信の下り最高速度よりも遅くなっています。
「もっと早い規格使えば良いのに……」と思うかもしれませんが、Wi-Fiや有線LANの通信速度をより高速にすることは現時点においてあまり意味がありません。というのも、867Mbps超のWi-Fiや、1Gbps超の有線LANに対応するデバイスがほとんどないからです。
唯一、下り1237Mbpsをフルに生かせるのはW06においてPCとUSB 3.0接続でテザリングする方法です。USB 3.0の最高通信速度は5Gbps(625MB/秒)ですから、確かに十分なスピードを得られます。
「それじゃあ、下り1237Mbps対応はほぼ意味ないのでは?」という声も出てきそうですが、理論最高値が向上すると、実効速度も改善するため、確実に意味はあります。
下り1237Mbps対応で、4K・8K動画も楽しめるという触れ込みのau・UQの新しいWi-Fiルーターですが、このように注意点も非常に多くなっています。
特に「注意点2」で挙げた、ハイスピードプラスエリアモードにおける通信速度制限は使い勝手の面で大きな足かせとなってしまっています。せめて、ハイスピードプラスエリアモードでもハイスピードモード並みの制限になれば良いのですが……。
auとUQにおかれましては、ハイスピードプラスエリアモードにおける制限について、緩和する方向で、真剣に検討してほしいと思います。
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