据え置きWiMAX 2+ルーターを2週間ほど“固定回線代わり”に使ってみた5分で知る最近のモバイルデータ通信事情(1/3 ページ)

» 2017年08月04日 13時55分 公開
[島田純ITmedia]

最新スペックの据え置きルーター「L01」

 UQコミュニケーションズ(以下「UQ」)の「WiMAX 2+」に対応するルーターには、バッテリーを内蔵した「モバイルタイプ」と、バッテリーを内蔵せずコンセントからの常時給電で稼働する「据え置きタイプ」の大きく2種類があります。

 普段、5分で知る最近のモバイルデータ通信事情では名前通りモバイルタイプのルーターを中心に取り上げていますが、今回は据え置きタイプの最新モデル「Speed Wi-Fi HOME L01」に注目してみました。

今回紹介する「Speed Wi-Fi HOME L01」 今回紹介する「Speed Wi-Fi HOME L01」(Huawei製)

 L01の前から、UQはWiMAX 2+対応の据え置きルーターを発売してきました。しかし、モバイルルーターよりも発売が遅かったり、「キャリアアグリゲーション(CA)」「4×4 MIMO」といった新しい高速化技術への対応が遅れたりと、若干不遇な扱いを受けていました。例えば、下り220Mbps対応ルーターの発売時期を見てみると、モバイルタイプが2015年12月だったのに対し、据え置きタイプは2016年10月でした。

 しかし、L01はモバイルルーターとほぼ同じ時期に「下り最大440Mbps」「上り最大30Mbps」という最新仕様に対応して発売されました。さらに、据え置きタイプとしては初めて「au 4G LTE」に対応し、WiMAX 2+エリア外でもデータ通信できるようになりました。ただし、4G LTEに対応する「ハイスピードプラスエリアモード」で月間7GB以上の通信をすると、WiMAX 2+単独の「ハイスピードモード」を含めて通信速度制限(上下最大128kbps)の対象となるので注意しましょう。

「au 4G LTE」に対応 L01は据え置きタイプのWiMAX 2+ルーターとして初めて「au 4G LTE」に対応。より広いエリアで通信できるようになった

モバイルタイプの最新モデルと比較

 ここで、同世代のモバイルルーター「Speed Wi-Fi NEXT W04」「Speed Wi-Fi NEXT WX03」(以下それぞれ「W04」「WX03」)とL01の主なスペックを比較してみましょう。

最新WiMAX 2+ルーターの主なスペック
機種名 L01 W04 WX03
形態 据え置き モバイル モバイル
最大通信速度(ハイスピード) 下り:440Mbps
上り:30Mbps
下り:558Mbps
上り:30Mbps
下り:440Mbps
上り:30Mbps
最大通信速度(ハイスピードプラスエリア) 下り最大:370Mbps
上り最大:37.5Mbps
下り最大:590Mbps
上り最大:37.5Mbps
非対応
最大接続台数(ワイヤレス) Wi-Fi:40台(※) Wi-Fi:10台
Bluetooth:3台
Wi-Fi:10台
Bluetooth:3台
クレードル なし あり(別売) あり(別売)
※ 5GHz帯と2.4GHz帯で各20台ずつ接続可能

 上の表を見ると、L01はモバイルルーターと比べて仕様面で特に優れている、という訳ではありません。むしろ、下りの最大通信速度に関しては、ソフトウェア更新適用後のW04の方が勝ります。

W04はソフトウェア更新で下り最大590Mbpsに Speed Wi-Fi NEXT W04は、ソフトウェアを更新するとハイスピードプラスエリアモード(4G LTE+WiMAX 2+のCA)で下り通信速度が最大590Mbpsになる

 果たして、L01よりもW04の方が“スペック通り”高速に通信できるのでしょうか。筆者は両機種を用意して実測してみました。PCから「Sppedtest.net」に接続し、3回測った平均値を以下に載せます。ルーターの置く位置は窓際固定です。

L01とW04の通信速度比較(ハイスピードモード)
機種 L01 W04
PING(応答速度:ミリ秒) 46.67 54.67
下り(Mbps) 41.66 33.57
上り(Mbps) 11.7 9.0
3回の計測結果の平均値を掲載(小数第3位を四捨五入)

L01とW04の通信速度比較(ハイスピードプラスエリアモード)
機種 L01 W04
PING(応答速度:ミリ秒) 41.33 44.33
下り(Mbps) 102.17 29.48
上り(Mbps) 16.38 9.74
3回の計測結果の平均値を掲載(小数第3位を四捨五入)

 表を見れば一目瞭然ですが、下り・上りともにL01の方が高速です。特に、au 4G LTEを併用するハイスピードプラスエリアモードでの下り速度の差は顕著です。一方で、WiMAX 2+単独のハイスピードモードではそこまで大きな差は出ませんでした。

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