カメラの機能として、最後にアピールしたのがズーム性能の拡張だ。P30は3倍の光学ズーム、5倍のハイブリッドズーム、最大30倍のデジタルズームが可能。P30 Proは5倍の光学ズーム、10倍のハイブリッドズーム、最大50倍のデジタルズームを実現した。つまり、P30は最大5倍まで、P30 Proは最大10倍まで、画質をほとんど劣化させずに撮影できるという。
なお、本体を厚くすることなく、10倍ハイブリッドズームを実現するために、P30 Proではカメラモジュールを横向きに配置して、光を90度屈折させる「ペリスコープ(潜望鏡)」と呼ぶ構造になっている。
発表会では、P30 Proで撮影した50倍ズームの作例を掲載し、離れた場所からエッフェル塔を写しても、文字が鮮明に写ることをアピール。ただし、発表会が終わってから筆者がサンプル機で試してみたところ、倍率を高くするほど手ブレがしやすく、手持ちでの撮影はデジタル20倍あたりが限界だと感じた。
ズーム操作はP20/P20 Proと同じ。画面で見る限り、10倍にズームしても画質劣化はなさそう。なお、AIのオン/オフは、P20/P20 Proではカメラの設定画面で行う必要があったが、P30/P30 Proでは撮影時に不要と感じたら、タップしてすぐオフにできる。
暗い場所でもズーム撮影ができることもアドバンテージ。何と、P30 Proなら月もキレイに撮影できるという。Galaxy S10+、P30 Pro、iPhone XS Maxで可能な限りズームアップして撮影した月の作例を比較し、P30 Proは50倍ズームで撮影でき、輪郭がくっきりしていることをアピールした。
会場を暗転させて(といっても真っ暗ではないが)、会場後方に掲げた「WRITE」と記されたボードを競合モデルと撮り比べるデモンストレーションも披露した。最新モデルの最大のセールスポイントである高感度と高倍率ズームをまとめてアピールする狙いだろう。
P30/P30 Proに共通するカメラの他の特徴として、ポートレート撮影時のボケの精度が向上したこと、2.5cmまで近づいて撮れる「スーパーマクロ」に対応していることもアピールした。
発表会では、多くの比較作例を提示しつつ、カメラの進化ポイントの解説に時間を割いた。しかし、ユー氏が「Leica(ライカ)」の名称を口にすることは少なく、画質の向上にLeicaがどれくらい関わっているのかは不透明だった。
動画の撮影性能が向上したことも今回のセールスポイント。ユー氏は、「YouTube」などに動画をアップロードする人が増えていることに言及し、これまでの動画撮影の弱点が「暗所撮影」「手ブレ」「ズーム」にあるとした。P30 Proで撮った作例を示して、これらの弱点を克服したことをアピール。さらに、2つのカメラで広角と望遠を同時に撮影できる「HUAWEI Dual-View Video」という新機能も紹介した。
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