Xperia 1は、約1220万画素の標準カメラ(26mm、F1.6)、望遠カメラ(52mm、F2.4)、超広角カメラ(16mm、F2.4)を搭載している(焦点距離は35mmフィルム換算)。こうした構成のカメラ自体はHuaweiやOPPOなども採用しており珍しくはないが、カメラの利用シーンが広がるのは確かだ。デュアルカメラを搭載していた「Xperia XZ2 Premium」は、カラーセンサーとモノクロセンサーで捉えた画像を合成し、暗所に強い写真を撮れることを特長に掲げていたが、日常的な利用にそぐわない感もあった。
望遠カメラでは2倍までは画質劣化を抑えたズームが可能になり、超広角カメラではよりワイドな撮影が可能になる。特に超広角撮影は、風景写真や、風景+ポートレートの撮影を楽しむ幅が増す。初めて訪れる観光地だけでなく、普段よく行く公園なども、超広角で撮ると、それまでとは違った印象を得られて楽しい。他社が採用している「10倍ハイブリッドズーム」といった飛び道具は少ないが、着実に進化を遂げた。
Xperia 1ならではの機能として、スマートフォンでは世界初という「瞳AF」や、AFや露出を被写体に合わせながら10コマ/秒の高速連写をする機能も用意した。さらに、画素ピッチが1.4μmへと大きくなり、レンズがF1.6へと明るくなったことに加え、画像処理エンジン「BIONZ X for mobile」で、画像を現像する前にノイズを低減させることで、Xperia XZ3比で4倍明るく撮影できるという。
手ブレ補正は電子式と光学式を組み合わせた「ハイブリッド手ブレ補正」になり、暗所でも、他社製品よりブレを抑えて鮮明に動画撮影できることをアピールしていた。
SDR映像コンテンツをHDR相当の画質で表示可能にする「HDRリマスター」機能や、制作者が意図した通りの画作りにする「クリエイターモード」、映画をイメージした画作りで21:9の動画を撮影できるアプリ「Cinema Pro」など、画質面や映像面でも特筆すべき点は多い。ただ、普段使いをする上で重要なのはサイズ感、持ちやすさ、デザイン、画面の視認性などではないだろうか。こうしたスペックでは計り知れない部分も含めて、Xperia 1は久々に「欲しいXperia」と思わせてくれるモデルに仕上がりつつあると感じた。
日本では「初夏に発売される」ということで、例年通りだと、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3キャリアから登場することが期待される。
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