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» 2019年04月26日 10時00分 公開

石川温のスマホ業界新聞:アップルとクアルコムが知的財産訴訟で和解成立――インテルはスマホ向け5Gモデム開発をギブアップ

特許に関して互いを提訴していたAppleとQualcomm。それが4月17日(現地時間)、和解に至った。一方、Intelはスマートフォン向け5Gモデムの開発を中止することを発表した。「和解」は5G対応iPhoneに向けて大きな一歩だが、「中止」は5Gモデムの寡占化を進める懸念がある。

[石川温]

 アップルとクアルコムは4月16日、スマホ向けモデムチップの知的財産を巡る訴訟で和解に達したと発表した。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2019年4月20日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 そもそも、アップルはクアルコム社製のモデムチップを採用していたが、クアルコムはアップルに対してモデムチップの代金に加えて、それに伴う特許使用料についても請求。

 しかし、その請求額が高額だったためか、2017年にアップルは「使用料が高すぎる」とクアルコムを提訴。一方で、クアルコムは対抗措置としてアップルを知的財産権の侵害で訴えたのだ。

 アップルは2016年から徐々にモデムチップの調達先をクアルコムからインテルに切り替え、昨年からはすべてインテル製にしてしまい、クアルコムを排除したのだった。

 ただ、5G時代に向けて、インテルがちっとも5Gモデルチップを開発できないという問題にアップルは直面した。

 自社で開発するのにも3〜4年かかる。かといって、ファーウェイから5Gモデルチップを調達するというのは、中国メーカーを排除しようというトランプ政権の手前、不可能に近い。

 結局、アップルが折れた形で、和解となったようだ。

 ただ、クアルコムは2016年には5Gモデムチップを発表するなど、技術的、特許的に他社を大きくリードしているのは明らかだった。2018年のMWCでは、様々な基地局ベンダーとの接続試験もすでに順調に進んでいることをアピール。

 さらに、単に5Gに接続するだけでなく、3Gや4Gとの連携もきちんと稼働するという点はインテルにはできない芸当であった。

 今回の和解によって、iPhone 5Gが現実味を帯びてきたことは業界的にも喜ばしいことだろう。当然のことながら、クアルコムにとってみれば、大勝利だ。

 ただ、5Gに対応するには、クアルコムのSnapdragonしか選択肢がないとなれば、5Gモデムチップの価格の高止まりにつながる可能性も高い。

 そこで、気になるのが、ファーウェイの動向だ。ファーウェイのモデムをアップル以外のAndroidメーカーに開放していくのか。中国メーカーが、5Gモデムチップを安価に調達しようとファーウェイの門を叩くのか。

 インテルが5Gモデルチップの開発を諦める中、ファーウェイがどのような戦略を獲っていくのか、気になるところだ。

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