ファミリーマートのコード決済「FamiPay」が7月1日にスタートした。初日ということで利用者が殺到したため、利用時にエラーメッセージが表示されるといった問題はあったが、1日の14時頃の時点で決済自体は順調に終了しており、ファミリーマートでの新たな決済手段を体験できた。
FamiPayを利用するには、従来のスマートフォン用「ファミリーマート」アプリがアップデートされた「ファミペイ」アプリをインストールする(iOS、Android向け)。新規会員登録では、電話番号を使ったSMS認証を行い、名前などを登録すればすぐに利用開始できる(1日15時ごろの原稿執筆時点では、この会員登録でつながりにくい状態になっているようだ)。
FamiPayでは、ホーム画面にバーコードが表示され、「FamiPayを使う」をオンにすれば利用準備が整う。クレジットカードでのチャージは「ファミマTカード」のみで、銀行口座経由でのチャージにも現時点では非対応なので、クレジットカードがなければ店頭での現金チャージが最も一般的だろう。
チャージの仕方は、店頭で「FamiPayにチャージしたい」ということを店員に告げ、ファミペイアプリのバーコードを店員に提示する。店員がそれを読み込むと、POSレジの客側の画面にチャージする金額(1000〜3万円)が表示されるので、好きな数字をタッチして、店員に現金を手渡す。店員がレジ操作してレシートが渡されればチャージは完了となる。アプリ画面を再読込すれば、チャージされた金額が表示される。
支払いも手順としては変わらない。商品を店員が読み込み、支払い段階で「FamiPayで支払う」ことを告げ、アプリのバーコードを提示する。店員がそれを読み込むと、メロディが流れて決済完了の合図となる。
特に待たされることはなく、読み取りも早い。処理もすぐに終わり、他のコード決済サービスとの差は感じない。現時点ではアプリも決済に関連するクーポンや商品情報に限られているため、利用者増による混雑で多少の読み込み時間がかかる点を除けば、比較的軽快に動作する。
ファミリーマートが最近増やしているセルフレジでもFamiPayは利用できる。現金を扱わないためチャージには非対応だが、既にチャージされている状態なら、素早い決済が可能になる。
使い方はレジで支払うときと変わらない。セルフレジの最初の画面で「ファミペイ」にタッチをして、ファミペイアプリでバーコードを表示させてレジに読み込ませる。後は商品をスキャンして、「お支払へ」ボタンをタッチ。改めて決済手段の選択画面になるので、ここで「FamiPay」を選び、「お支払確定」ボタンをタッチすれば決済が完了する。
電子レシート機能も搭載しており、購入店や時間、商品、値段などが表示されるが、特にデータとして出力することはできないようだ。クーポンでは、ランダムで指定された商品1品と交換できる初回登録クーポンが用意されており、今後も順次クーポンが配信される予定となっている。
7月31日までは、ファミマTカードでのチャージでは15%、現金でのチャージでは10%を還元するキャンペーンも実施。それぞれ還元額は2000円、3000円を上限としており、2万円のチャージでそれぞれ最大の還元が得られる形だ。
同日はセブン-イレブンの決済サービス「7pay」もスタート。流通大手2社の参入でさらにコード決済が盛り上がっている。両社ともスモールスタートという印象で、機能は不足しているし、アプリの完成度にも課題を感じる部分はある。
コンビニエンスストアは幅広い決済手段に対応しており、FamiPayもその1つにすぎず、現時点ではクレジットカード、銀行口座経由のチャージ、ポイントなど、機能が不足している。コード決済がこれだけ乱立する中、いかに利用者を拡大するか、使い勝手のよい、利用者が使いたくなるサービスへと進化できるか、ファミリーマートは難しい戦いに身を投じたといえる。
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