「Galaxy Note10」はなぜ2種類あるのか? Microsoftとの提携を強化する狙いは?石野純也のMobile Eye(1/2 ページ)

» 2019年08月11日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 8月7日(現地時間)に米ニューヨーク州で発表されたのは、2つの「Galaxy Note10」だった。1つが、従来路線を継承した「Galaxy Note10+」。もう1つが、画面サイズはほぼそのままに、本体をコンパクト化した「Galaxy Note10」だ。代を重ねるごとにベゼルの幅を抑え、画面サイズを拡大してきた同シリーズにとって、メインのモデルでの小型化は大きな転換といえる。

 これまでも「GALAXY Note Edge」のような派生モデルは存在したが、ディスプレイサイズの異なる2モデルを同時に打ち出したのは、初の試みといえる。この2モデルや、イベントで語られたことなどから、Samsung Electronicsの最新戦略を読み解いていきたい。

Galaxy Note10 UNPACKEDでは、Galaxy Note10とNote10+の2機種が発表された

大小2つにバリエーションが拡大した「Galaxy Note」シリーズ、5G対応も強化

 既報の通り、2モデルに分かれたGalaxy Note10だが、位置付けはどちらもフラグシップモデル。米国支社でプロダクトマネージャーを務めるドリュー・ブラッカード氏は、UNPACKEDで「パワーとプロダクティビティを2つのサイズに詰め込んだ」と語った。実際、両機種ともプロセッサやカメラの性能は同じ。Galaxy Note10+のみ、ToFを搭載していたり、急速充電のスペックが高かったりといった違いはあるが、ユーザー体験の“差分”として大きいのは、やはり画面サイズと解像度になる。

Galaxy Note10 ディスプレイサイズと解像度が2機種の大きな違いだが、いずれもフラグシップという位置付けだ
Galaxy Note10 ToFカメラを搭載し、動画撮影時の背景までボカせるのはGalaxy Note10+だけの機能

 では、なぜGalaxy Note10は、2つのサイズで展開するのか。答えは明快で、特に女性のユーザーから「もう少し小さなNoteはないのか」といった声が同社に寄せられていたという。ユーザー層を拡大するため、レッドやピンクなど、従来路線のGalaxy Note10+にはないカラーもGalaxy Note10に採用した。こうした経緯を考えると、Galaxy Note9の直接的な後継機はGalaxy Note10+だ。どちらを中心に据えるかにもよるが、Galaxy Note10は、新ジャンルの“コンパクトなNote”といえる。

Galaxy Note10 Galaxy Note10は、コンパクトで片手でも持ちやすい。横幅は71.8mm。Galaxy Note9に近い画面サイズながら、本体は小型化した

 ToFカメラなどが搭載されていないこともあり、価格もGalaxy Note10の方が安い。価格の高騰が続くハイエンドモデルだが、その負担感を緩和する狙いもありそうだ。Galaxy Note10の最安モデルはLTE版の949ドル。これに対し、Galaxy Note10+はLTE版でも1099ドルと、Galaxy Note10より150ドルほど高い。韓国で発売される5G版のGalaxy Note10も1049ドルで、Galaxy Note10+のLTE版より安価に抑えられている。

Galaxy Note10 モデル別の価格。Galaxy Note10は、より買いやすい価格帯を打ち出すための端末という見方もできる

 Samsungが注力しているのが、「ユーザー体験に革新をもたらすこと」(IT&モバイル部門CEO DJコー氏)。Samsungによると、Galaxy Noteシリーズは、ビジネスマンの中でも、特にクリエイターやフリーランスといった属性のユーザーが多いという。こうしたユーザーのニーズに応えるため、Galaxy Note10、10+では、Sペンの機能が強化された。DeXの機能を拡大し、PCと連携できるようにしたのも、クリエイティブなニーズを踏まえてのことといえる。

Galaxy Note10 Samsungの目標を語るCEOのDJコー氏
Galaxy Note10
Galaxy Note10 DeXはPCとの連携する機能を追加。ドラッグ&ドロップで簡単にファイルの受け渡しができるようになる

 コー氏が語ったユーザー体験の革新を支えるのが、5Gだ。コー氏は「Samsungは、それを実現するための最前線にいる」と自信をのぞかせた。端末だけでなく、基地局などのインフラまで手掛けるSamsungにとって、通信技術は強みの1つ。「Galaxy S10」世代では派生モデルとして「Galaxy S10 5G」を用意していたが、Galaxy Note10、10+は、LTE版と5G版のどちらかを選ぶことができる。派生モデルではなく、ラインアップの中心となるモデルが5Gに対応したというわけだ。

Galaxy Note10 ネットワーク事業を手掛けるSamsungにとって、5Gは得意分野。その強みが改めて強調された
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  2. IIJmioのスマホ大特価セール 中古「iPhone SE(第3世代)」が4980円、「OPPO Reno11 A」が9980円など (2026年06月09日)
  3. ドコモの通信障害に“AIエージェント”が先手 「SNSの投稿」も常時監視するオペレーションセンターの裏側 (2026年06月10日)
  4. JR東日本が2027年春から「二次元コード乗車券」を導入 近距離券売機での磁気券は順次廃止へ (2026年06月09日)
  5. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  6. 「Pokemon GO Fest 2026:東京」のモバイル通信は快適だった? 初対策の楽天モバイルがピーク時に“最速”も記録 (2026年06月10日)
  7. iOS 27は「iPhone 11」以降で利用可能 iOS 26から据え置きで過去最大のiPhoneに対応 (2026年06月09日)
  8. あのシャープが「ウェアラブル」に参戦? スマホ「AQUOS」新製品予告 詳細は16日に発表 (2026年06月10日)
  9. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【6月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年06月08日)
  10. 「iPadOS 27」発表 Siri AI対応で生産性が向上、スクショから調べ物も可能に (2026年06月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー