プレサービスで使用する端末は、ソニーモバイルコミュニケーションズ、サムスン電子、LGエレクトロニクス製のスマートフォン3機種と、シャープ製のルーター1機種を用意。台数は合計7000台。これらは商用サービスで使う予定はなく、プレサービス専用となる。
サービス開始当初、5G端末は高額になることが予想されるが、10月から施行される改正電気通信事業法が足かせになり、大幅な割引はできなくなる。吉澤氏は「5G端末をお求めやすくすることを考えていかないといけない。端末を普及させるためにどうするか、アイデアを出していきたい」とし、何らかの施策を行うことを示した。吉澤氏は、10月以降の「端末割引は2万円まで」というルールも「(競争の)健全化が図られれば変わってくるのでは」とみており、5G端末を購入しやすくするために、国に働きかけをする意向があることも話した。
プレサービスで使うLGのスマートフォンは、2画面化が可能だが、「HUAWEI Mate X」や「Galaxy Fold」といった折りたたみ型スマートフォンの採用も期待される(端末はかなり高額だが)。こうした製品については「展示会で見せてもらったが、非常に使い勝手がいい面もある。しっかりと評価した上で、検討したい」と吉澤氏は話していた。
5G商用サービスは2020年春に提供する。サービスの打ち出し方については、「5Gならではのキラーコンテンツを現状で絞るのは難しい。今日(デモで)ご覧いただくようなところを、商用までグレードアップしていき、キラーとなるサービスやビジネスを明確にしていきたい」と吉澤氏は説明した。
商用サービスではユーザー数を絞って試験的に行うことは考えておらず、「必要な場所に5G基地局を打って、エリア化されたところで5Gサービスを受けていただく」と吉澤氏。5Gの料金プランは未定で、「データ量が増えるので、それに応じて料金が上がることは考えていない。無制限にするか、制限を加えるかどうかの議論をしながら、使いやすい料金にしたい」と話した。5G向けの料金プランも、2020年春に提供する予定。
「2020年は、ドコモにとっても日本にとっても大きな転換点になる。(5Gによって)全ての可能性が開かれる」と吉澤氏は発表会の最後に意気込みを語った。会場では、11のサービスと18のソリューションのデモを行っており、5G時代の体験、ユースケースをドコモが提案するという姿勢が伝わってきた。
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