店舗を変えるモバイル決済
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» 2019年12月05日 19時35分 公開

ドコモとShowcase Gigが提携 “d払いのミニアプリ×事前注文”で新たな店舗体験を

NTTドコモとShowcase Gig(ショーケース・ギグ)が資本・業務提携を行う。モバイルオーダープラットフォームを「d払い」のミニアプリに取り入れる。2020年度内に、1万店鋪でミニアプリからモバイルオーダーを利用可能になる予定。

[田中聡,ITmedia]

 NTTドコモが12月5日、Showcase Gig(ショーケース・ギグ)と資本・業務提携契約を結んだことを発表した。11月25日に契約を締結し、12月中旬にドコモが10億円の第三者割当増資を引き受ける予定。

 Showcase Gigは、飲食・小売業界向けにモバイルオーダープラットフォーム「O:der(オーダー)」を提供している。具体的なサービスとしては、ユーザーがスマホから事前に注文できるアプリ「SelfU(セルフ)」や、セルフ決済端末「O:der KIOSK(オーダー・キオスク)」などを提供している。事前に注文をするのでユーザーは待ち時間が減り、店舗側は省人化や業務効率化などのメリットを得られる。

ドコモ、Showcase Gig Showcase Gigが提供しているモバイルオーダープラットフォーム「O:der」
ドコモ、Showcase Gig スマホアプリから事前注文できるサービスや、セルフ注文端末を提供している

 提携により、Showcase Gigのモバイルオーダーを「d払い」のミニアプリに取り入れ、d払いから事前注文できる店舗を増やしていく。ミニアプリは、加盟店のアプリをd払いアプリ上に組み込める機能のこと。自社でアプリを持たない店舗に対し、ミニアプリ開発を支援する取り組みも行い、ミニアプリやd払いの加盟店拡大を目指す。

 両社は2020年1月にミニアプリの開発支援を開始する。2020年春にはモバイルオーダーに対応した第1弾のミニアプリとして、「吉野家」アプリが追加される予定。2020年夏以降に第2弾ミニアプリをリリースし、2020年度内に1万店鋪で、モバイルオーダー対応ミニアプリが利用可能になる予定。

ドコモ、Showcase Gig 2020年度内に、1万店鋪でモバイルオーダー対応ミニアプリが使えるようにする

 12月5日には発表会を開催し、Showcase Gigの新田剛史社長と、ドコモ 執行役員 プラットフォームビジネス推進部長の前田義晃氏が、モバイルオーダーや決済サービスを取り巻く現状と、提携の狙いを語った。

ドコモ、Showcase Gig ドコモの前田義晃氏(左)とShowcase Gigの新田剛史氏(右)

大手チェーンのPOSシステムと連携できるのがShowcase Gigの強み

 Showcase Gigは、オンラインとオフラインを融合させた「OMO(Online merges with Offline」を推進しており、モバイルオーダーを活用した新たな店舗体験の提供を目指している。スマホで事前に注文できるサービスは世界各国で増加しており、OMOは「世界的な潮流だ」と新田氏は言う。

ドコモ、Showcase Gig オンラインとオフラインを融合させ、ユーザーごとに最適化したサービスを提供する「OMO」

 特に日本は労働人口の減少による労働力不足が叫ばれていることもあり、「業務効率化のニーズ、デジタルへの期待が高まっている」と新田氏。飲食店では、接客や会計などの業務をデジタル化することで30%の業務を削減できるという調査結果も出ている。

ドコモ、Showcase Gig 2016年から2030年にかけて、11.6%労働人口が減るという観測もある
ドコモ、Showcase Gig 接客や会計などの業務をデジタル化することで、30%の業務削減が可能になるという

 さらに、Showcase GigはPOSレジで業界トップシェアを持つ東芝テックと業務提携しており、同社のPOSシステムとモバイルオーダーをダイレクトに連携できることも強みとしている。「大規模チェーンだとPOSシステムが導入されているケースが多く、スムーズなモバイルオーダーを実現するには、そこ(POS連携)が必須」と新田氏は話す。

ドコモ、Showcase Gig 東芝テックのPOSシステムとダイレクトに連携できることを強みとしている

 「モバイルオーダーの類似サービスが出てきているものの、クラウドのみで実装しているので、全国展開は難しい」(同氏)が、POS連携システムを持っていれば、吉野家をはじめとする大手チェーンのアプリにモバイルオーダーを組み合わせることも容易になる。実際、2020年度内にモバイルオーダー対応ミニアプリ導入を目指す「1万店鋪」は、大手チェーンが中心になるそうだ。既にShowcase Gigがモバイルオーダーを導入している店鋪や、d払いの加盟店も含まれるという。

 モバイルオーダーは現在、ファストフードやレストランなど約2300店鋪に導入されているが、1万店鋪がミニアプリ兼モバイルオーダーに対応すれば、Showcase Gigにとってもインパクトは大きい。「国内は48万店舗の飲食店があるといわれている。1万にとどまらず、最低でも10万単位で取っていけるように目指したい」と新田氏は意気込みを語った。

ドコモ、Showcase Gig モバイルオーダーを導入している店鋪(一部)

ミニアプリを増やしてd払いの利用促進を狙うドコモ

 ドコモ側にとっては、モバイルオーダーをd払いに取り入れることで、d払いの利用拡大につながるのがメリットだ。ドコモは現在、7200万のdポイントクラブ会員を抱えており、決済、ポイント、広告、販促などを通じて、ユーザーと加盟店を結ぶ取り組みを強化している。その中で「(決済などを通じて)多くの会員のデータが蓄積されているので、それを活用しながら、新規顧客の創出につなげている」と前田氏。

ドコモ、Showcase Gig dポイントクラブの会員基盤を軸に、加盟店とユーザーの接点を増やす取り組みを進めている

 そのカギを握るのがミニアプリだ。d払いユーザーは2019年11月時点で2000万に到達している。スマホアプリを提供していない店舗はもちろん、アプリを提供している大手チェーンにとっても、2000万人の目に触れる機会を得られることは大きい。

ドコモ、Showcase Gig d払いアプリから加盟店のアプリを利用可能にする「ミニアプリ」
ドコモ、Showcase Gig ミニアプリは店鋪とユーザー双方にメリットをもたらす
ドコモ、Showcase Gig d払いユーザーは2000万人を突破。利用箇所は122万となり、2021年末までに200万箇所を目指す

 「各企業はマーケティング活動を行っているが、日本全国の方々にリーチできるわけではない。d払いを入口として使ってもらう」と前田氏は狙いを話す。そのために必要なソリューションが、Showcase Gigのモバイルオーダーだったというわけだ。今後は飲食店にとどまらず、交通、エンタメ、医療などさまざまな領域で、「決済を軸にしたソリューションを展開していく」と前田氏は展望を語った。

ドコモ、Showcase Gig ミニアプリで新たな消費活動の創出を目指す

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