「高品質×低価格」で攻めるXiaomi 日本に「Mi Note 10」を投入する狙いは?(1/2 ページ)

» 2019年12月09日 22時47分 公開
[田中聡ITmedia]

 中国Xiaomi(シャオミ)のスマートフォン日本参入が正式に発表された。同社は1億800万画素カメラを搭載した「Mi Note 10」と「Mi Note 10 Pro」を12月16日から順次発売する。Xiaomi製品の特徴とは? またなぜこのタイミングで日本参入を決めたのか? 12月9日の発表会で、東アジア地域のゼネラルマネジャーのスティーブン・ワン(Steven Wang)氏が語った。

Xiaomi 12月9日の発表会に登壇したスティーブン・ワン(Steven Wang)氏

「素晴らしい製品を公正な価格」で提供すべく、原価に近い価格に

 「素晴らしい製品を公正な価格で」というXiaomiの戦略は、「イノベーション」「デザイン」「品質」「適正な価格」という4つの要素に分解される。

Xiaomi Xiaomiの製品戦略

 イノベーションについては、スライド式のインカメラを搭載する5Gスマートフォン「Mi MIX3 5G」や、裏側までディスプレイで覆われた画面占有率約180.6%の「Mi MIX Alpha」といった新機軸のモデルを海外で発表。Mi MIX Alphaは、発表会でディスプレイ越しではあるが、9日の発表会場で参考展示された。

Xiaomi 5G対応スマートフォンの「Mi MIX3 5G」
Xiaomi 本体をぐるっと囲むディスプレイを搭載した「Mi MIX Alpha」。世界でもまだ発売時期は決まっていない
Xiaomi
Xiaomi ガラスケース越しに展示されていたMi MIX Alphaの試作機

 デザインについては、スマートフォンから白物家電まで、一目で「Xiaomiの製品だ」と分かるように努め、その統一したデザイン言語を「Mi-Look」と名付けている。同社の製品は日本のグッドデザイン賞を始め、400以上のインダストリアルデザイン賞を取っているという。

 Xiaomiが最も重要視するのが品質だが、そこと表裏一体の関係にあるのが価格だ。「品質が低いと、ユーザーは戻ってきてくれない。金額に見合った価値を提供する」とワン氏。実際、Mi Note 10は5万2800円(税別、以下同)、Mi Note 10 Proは6万4800円と、各種スペックを考えると「安い」価格帯といえる。同時発表したスマートバンドの「Mi スマートバンド 4」は3490円とこちらも安い。ワン氏によると、2018年からXiaomiのハードウェア事業全体の純利益は5%を超えておらず、「ほとんど原価と同じような価格」だという。

Xiaomi
Xiaomi 「Mi Note 10」のGlacier White
Xiaomi 3490円の「Mi スマートバンド 4」

 ではどこで利益を上げるのか? 「Xiaomiはネット企業なので、インターネットサービスで収益を得ている。(商品群の)スケールがあるので、1つ1つの商品だけでなくても(スケールメリットを生かして)利益を出せる」とワン氏は話す。

 この他、1万mAhの18W急速充電対応モバイルバッテリー「Mi パワーバンク3」や、IoT家電操作用の「Mi Home」アプリを使ってスマホから遠隔操作できるWi-Fi対応の炊飯器「Mi IH炊飯器」、家電とは趣が異なるが「メタルキャリーオンスーツケース」も年内に日本で発売する予定。

Xiaomi 1万mAhの「Mi パワーバンク3」
Xiaomi 「Mi IH炊飯器」
Xiaomi 「メタルキャリーオンスーツケース」

 Xiaomiのブランドは「ファンがけん引している」とワン氏が言うように、ファンの存在も重視する。Xiaomi JapanのTwitterアカウントは既に600万以上のインプレッションを獲得した他、Mi MIX Alpha発表会のライブ配信は日本が世界でトップ5の視聴数だったという。このようにXiaomiのファンを増やし、スマホ以外の製品も購入してもらうことで、ブランド認知が向上してスケールメリットの拡大につながることが期待される。

カメラに注力したMi Note 10で「スマホ撮影の新時代を定義する」

 それでもスマートフォンがXiaomiの中核製品の1つに位置付けられるのは間違いない。同社が「スマホ撮影の新時代を定義する」と銘打つモデルとして投入するのが、Mi Note 10とMi Note 10 Proだ。両モデルとも、1億800万画素の5眼カメラを背面に搭載。1億800万画素の広角(標準)カメラに加え、10倍ハイブリッドズームに対応した500万画素の5倍望遠カメラ、2倍の光学ズームに対応した1200万画素の望遠カメラ、焦点距離13mm、2000万画素の超広角カメラ、2cm〜10cmの撮影に対応したマクロカメラという構成だ。

Xiaomi 広角、超広角、望遠×2、マクロという5つのカメラを搭載する
Xiaomi カメラの出っ張りはやや気になるところか

 1億800万画素は1/1.33型という大型センサーの恩恵もあり、「細部まで鮮明に撮影できる」とワン氏はアピールする。人物の作例をトリミングしただけでも、「まゆげやまつげなどのディテールがそのまま再現される」とワン氏。また、Mi Note 10 ProはMi Note 10の7枚に対し、8枚のレンズを搭載しており、より鮮明な撮影ができるという。

Xiaomi スライド写真からは分かりにくいが、1億800万画素のカメラで撮った人物写真は、トリミングした状態でも、肌の質感が鮮明に分かるという

 1200万画素の望遠カメラでは、自然なポートレート撮影ができるとする。2000万画素の超広角レンズは、景色を撮るのに最適で、より多くの情報を加えて、インパクトのある写真を撮れるとワン氏はアピールする。ズーム域は超広角の0.6倍から、デジタルズームの50倍までをカバーする。ハイブリッドズームによって10倍までは画質劣化を抑えた撮影が可能だとし、遠くから撮影した街中の写真を10倍に拡大しても、看板の文字まで鮮明に分かることをワン氏は紹介した。

Xiaomi 10倍ハイブリッドズームの効力で、遠くの看板の文字もしっかり読み取れる

 競合メーカーも強化している暗所での撮影性能については、1億800万画素カメラと500万画素の望遠カメラに搭載した光学式手ブレ補正、4つの画素を1画素として処理することでより多くの光量を確保する「4-in-1 ピクセルビニング」により、最大2700万画素でローライト撮影ができる。さらに、連写した複数の写真を合成することで、鮮明な夜景が撮れるという「ナイトモード2.0」も用意した。

 動画撮影については、AIを活用した手ブレ補正(“ShootSteady ビデオテクノロジー”と呼んでいる)をサポートしており、960fpsのスローモーション動画や4K動画を撮影できる。さらに、シネマ風のエフェクトを加えた「Vlog」モードも利用できる。

 Xiaomi独自の操作法として「MIUI」を採用しているのも特徴だ。最新の「MIUI 11」では、黒を基調とした配色のダークモード、有機ELを生かした通知等の常時表示、画面上にライトのように点灯させる通知、曜日ごとに設定可能な、自然の音を用いたアラーム音、2000社以上のプリンタに対応したワイヤレス印刷――などをワン氏は主な特徴に挙げた。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月27日 更新
  1. 3社そろい踏みの「Starlink Direct」 料金で仕掛けるドコモとソフトバンク、先行するKDDIは“サービス”で差別化 (2026年04月25日)
  2. スマホの「残価設定」にメス? 総務省がルール統一を検討も、Appleは「不当な扱い」と猛反発 (2026年04月25日)
  3. 楽天モバイル、ルーター「Rakuten WiFi Pocket 5G」の販売を一時停止 理由は? (2026年04月24日)
  4. ダイソーで1100円の「USB充電器(PD20W)」は、きちんと20Wで充電できるのか? (2026年04月26日)
  5. Xiaomiの前に、中国スマホの“雄”だったMeizu、またしてもピンチ (2026年04月26日)
  6. ダイソーの1100円「シースルーイヤフォン」に一目ぼれ “音質と個体差”に目をつむれば「あり」な選択肢 (2026年04月23日)
  7. 携帯電話のホッピング問題、「6カ月以内の継続利用を認める」方向で決着か 2026年夏に結論 (2026年04月23日)
  8. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  9. 1.72型ディスプレイ搭載スマートバンド「Xiaomi Smart Band 10」、高精度の睡眠モニタリングも可能 (2026年04月25日)
  10. 5万〜6万円台で買えるおすすめスマホ7選 ハイエンド級性能、防水+おサイフ対応、カメラ重視など多彩 (2026年04月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年