5Gが創出する新ビジネス

5Gの活用も視野に ドコモ回線を使った製造業向けIoTサービス「OMNIedge」始動

» 2019年12月10日 19時16分 公開
[田中聡,ITmedia]

 THK、NTTドコモ、シスコシステムズ(以下、シスコ)、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)が、製造業向けIoTサービス「OMNIedge(オムニエッジ)」の正式受注を2019年12月18日に開始する。出荷は2020年1月末に開始する。

OMNIedge 左から、シスコシステムズ 執行役員 情報通信産業事業統括 NTTグループ事業本部 事業本部長の濱田義之氏、THK 取締役執行役員の寺町崇史氏、NTTドコモ 執行役員 IoTビジネス部長の谷直樹氏、伊藤忠テクノソリューションズ 常務執行役員の寺田育彦氏

 OMNIedgeでは、THKの専用センサーを機械部品に装着して、そこで取得したデータを解析することで、機械部品に異常がないかを予兆できる。データはシスコのエッジコンピューティングルーターとドコモのLTE回線を経由して、専用ソフトで解析する。THKはセンシングシステムや解析サービスを提供している。CTCはIoT基盤の構築や運用支援を行う。

OMNIedge OMNIedgeの特徴。センサーからネットワーク環境までワンストップで提供するため、専任の技術者をアサインしなくても導入しやすいとしている

 料金は月額8000円(税別)からのStandardプランを提供し、センサー、アンプ、ケーブル、ルーター、SIMカードがセットで提供される。クラウドを使用することで、インフラや保守に関する費用を抑えられたという。まずはLMガイド(※)の破損や潤滑状態の確認に対応し、2020年夏にはボールねじの状態把握も可能になる予定。

※LMガイド……「Linear(直線)Motion(運動)Guide(案内)」の略。機械要素部品の1つとして、機械を真っすぐ動かす際の案内部分に使われている。

OMNIedge 月額8000円〜のStandardプランから始め、Professionalプランも準備している

 製造業では労働力不足に加え、ベテラン職人の高齢化による技術継承が困難であることが課題に挙がっている。そんな中でTHKが着目したのが「メンテナンスの効率化」。OMNIedgeを導入することで、機械部品の状態を遠隔で簡単に把握できる。「IT技術者がいなくても、ルーターの電源を入れればデータの収集ができる」とNTTドコモ 執行役員 IoTビジネス部長の谷直樹氏は話す。

OMNIedge 製造業の課題

 THK 取締役専務執行役員の寺町崇史氏は、閉域ネットワークで安全に運用できることに加え、既存の設備に導入でき、初期コストが発生しないことも特徴に挙げる。「IoTサービスを1から構築すると時間とお金の投資が必要になるが、初期コスト0ですぐに始められる」と同氏はアピールする。

 2018年10月からOMNIedgeの無償トライアルを募集したところ、100社以上の企業から申し込みがあった。トライアルでは51社が導入し、そのうち37社と本格運用の商談が進んでいる。トライアルに申し込んだ企業からは「再現性のアルゴリズムに信頼性がある」「大掛かりな作業を避ける、効率的なフローを構築できた」というフィードバックがあったという。

OMNIedge 106社にトライアルを依頼し、51社が導入した。現在は37社と有償化の商談が進んでいる
OMNIedge まずはLMガイドとボールねじの状態把握から始める

 ドコモの回線はLTEを用いているが、2020年春に商用サービスが始まる「5G」の採用も視野に入れている。谷氏は「5Gの大容量・高速、低遅延、多接続という特徴をうまく活用できるユースケースを見いだして、それに適応していくことは極めて重要。今回の仕組みはLTEを使ってクラウドまでデータを上げる形だが、対象製品のデータ量が増えると5Gが必要になるケースも増えてくると思う」と話す。

OMNIedge 5GやWi-Fi 6、AIの採用も視野に入れている

 一方、今回活用しているLTE回線は工場とクラウドをつなぐもので、工場内のセンサーとアンプは有線で接続している。工場内の無線化について谷氏は「課題だ」という。「工場内で5Gがどこまで使えるのかについては、いろいろなパターンで実証実験を重ねている。検証結果を踏まえて導入したい」(同氏)

OMNIedge センサーは有線で接続するが、ここを無線化することが今後の課題となっている

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月12日 更新
  1. ダイソーで1100円のノイキャンイヤフォン「TWS009」を試す 騒音カットの効果は実感も電池持ちに課題か (2026年10月09日)
  2. 資産3000万円以上が対象 MUFG「エムット」最上位サービスと“年会費無料”アメックス・プラチナの魅力とは (2026年10月08日)
  3. ダイソーで1100円の「GaN USB充電器」は折り畳みプラグで外出用に持ち歩きやすい 45W出力対応でPCでも使える (2026年10月10日)
  4. スマホの「実質価格」高騰の恐れ、iPhone 18 Proは2倍高く? 総務省の残価設定ルール厳格化は“誰のため”か (2026年10月10日)
  5. 楽天モバイル、KDDIローミングが大幅に縮小――ユーザーに対する説明責任はないのか (2026年10月11日)
  6. 10月1日から楽天モバイルの「au 4G LTEエリアローミング」が縮小も意外と残っている件 (2026年10月10日)
  7. POCO F9 Ultraのベースモデル「REDMI K100 Pro Max」はバッテリー容量とカラバリに違いがある (2026年10月11日)
  8. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  9. 【ワークマン】4900円の「アーバンライトバックパック」 豊富なポケットやナスカン&バックル付き (2026年10月11日)
  10. 「iPhone 18 Pro Max」を試して分かった進化と課題 想像以上に“使えた”可変絞り搭載カメラ (2026年10月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー