先述の通り、G8XのプロセッサはSnapdragon 855。メインメモリは6GB、内蔵ストレージは64GBを備えている。その実力を「Antutu Benchmark」の総合テストと「PCMark for Android」のストレージテストで数値化してみよう。
Antutu Benchmarkの結果は、総合で40万ポイント超。Snapdragon 855を搭載するだけに、非常に良い結果となっている。
PCMarkによるストレージテストの結果は、シーケンシャルリード(連続読み出し)が毎秒800MB、シーケンシャルライト(連続書き込み)が毎秒150MBとなった。こちらもスマホとしては高速だ。
メインメモリの容量はハイエンドスマホとしては基本ラインにあるが、内蔵ストレージに関してはやや少ない。ただし、microSDスロットを備えているので、ストレージ容量は補える。
LGエレクトロニクスのハイエンドスマホといえば、高音質を実現する「Hi-Fi Quad DAC」の搭載が魅力の1つ。G8Xもご多分に漏れず、ESS Technology製のDACを4基搭載している。
「DAC」は「Digital Analog Converter」の略で、デジタル音声信号をヘッドフォンやイヤフォンで再生できるアナログ音声信号に変換するチップのことを指す。G8Xでは、DACやヘッドフォン出力に用いるアンプ(増幅器)をスマホとしてはハイグレードなものにすることで、一般的なヘッドフォンやイヤフォンはもちろん、数万円クラスのハイエンドなヘッドフォンやイヤフォンの性能も引き出しやすくしている。
実際にSHURE製のハイエンドイヤフォン「SE535 LTD」(実売価格6万円前後)をつないで音楽を再生してみた所、標準の出力では一般的なスマホと同様に音の広がりやバランスが微妙だったものが、Hi-Fi Quad DACを有効にした途端に音の広がりや響きが一気に変わった。ハイレゾ楽曲を中心に聴くなら、デジタルフィルターを「ナチュラル」や「クリーン」にすると、よりオーディオプレーヤーらしいクリアな音を楽しめる。
オンキヨーの「GRANBEAT」のようなオーディオ特化モデルを除けば、高価格帯のヘッドフォンやイヤフォンの性能を引き出せる、たぐいまれなるスマホといえる。ハイレゾ音源の再生にも最適だ。
なお、Bluetoothオーディオについても高音質コーデックである「aptX HD」「LDAC」に対応している。
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