店舗を変えるモバイル決済

店舗が「d払い」「dポイント」を導入するメリット ユーザー向けのキャンペーンはどうなる? ドコモに聞くモバイル決済の裏側を聞く(2/3 ページ)

» 2020年04月15日 07時48分 公開
[小山安博ITmedia]

dポイントの利用で客単価が10%上がった店舗も

 dポイントのメリットは、共通ポイントとしてどの決済でも効果がある点だという。d払いだけでなく、クレジットカード、電子マネー、他社コード決済といった具合に、ポイントカードを提示すればどの決済手段でも付与されるので、店舗に対する送客効果は高いと田原氏は言う。

dポイント どの決済手段でも1%のポイント還元を受けられる

 顧客の属性、居住エリア、頻度、単価といった情報を気にしている店舗は多いそうで、こうした情報を分析する際にも、dポイントの方が決済手段を問わないため、幅広く情報を得られて「お客さんを理解できる」という。

 こうしたdポイントの効果として田原氏が挙げるのが客単価で、dポイント利用によって10%上昇したという声もあったそうだ。これに加え、dポイントを付与する量と使われる量の比率は業態によって異なるが、「使われる量の方が圧倒的に多い」そうだ。これは、ドコモの携帯料金やdカードの利用ポイントなど、ドコモが付与するポイントが多いということにもつながっている。

 ポイント利用時には決済手数料は「基本的にはかからない」ので、1ポイント1円として売り上げになる。入金サイクルは月1回のみだが、メインの決済手段ではないため、店舗にとって大きな支障とはならないだろう。それでも要望は来ているそうなので、振込手数料などの問題もあるが、今後サイクルの検討はしていくという。

 「dポイントは基盤」というのがドコモの位置付けだ。dポイントによって利用者に対してはポイントで購買できるお得を提供し、店舗には売り上げアップや送客、顧客分析などのメリットを提供する。決済手段を問わずに情報取得ができるため、さらなるデータ分析につなげられることはドコモにとってのメリットだ。

 実際、dポイントのデータ分析を活用して、加盟店に効果の高いキャンペーン施策やクーポン発行などの費用対効果が最大化するように提案をしているが、アクティブユーザーが拡大したことで、その提案も本格化し、「効果が出始めている」という。

d払いは基本性能を磨き、ミニアプリで強化

 これに対して決済手段のd払いでは「新しい購買体験を提供する」と田原氏は話す。単に「dポイントがたまりやすい決済手段」としてだけでなく、ミニアプリを活用して、事前予約して注文・決済を済ませて店舗で受け取るなど、今までとは異なる購買の体験を提供する。

d払い d払い上で注文や決済ができるミニアプリが登場。「Japan Taxi」や「吉野家テイクアウト」などを利用できる

 これによって、「店舗側にとっても送客や店舗の省人化といった仕組みを構築できる」と田原氏。利用客には利便性を提供しつつ、店舗側にもメリットがある仕組みを構築していきたい考え。そうした点で、d払いとdポイントの融合は進めていく戦略だ。

 d払いのようなコード決済は個店への導入がしやすい点が特徴だ。クレジットカード用の決済端末導入も不要であり、導入単価が安いというメリットがある。dカードやおサイフケータイのiD、d払いをそれぞれの特徴に応じて展開していくことで、決済サービス全体での拡大を目指す。

 ただ、d払いはプラットフォームビジネス推進部ウォレットビジネス推進室、dカードは金融ビジネス推進部と部署が異なるため、密接な連携が取りにくい恐れもある。田原氏は「社内KPIの設計で、dカードだけ、d払いだけ(が増えればいい)ということはないようにしている」そうで、協力して拡大していく体制を整えているという。

店舗向けにはd払い取扱高の10%を還元

 d払いの利用拡大に向けた施策では。利用客向けには頻繁にdポイントの還元率をアップさせるキャンペーンを実施しているが、店舗向けにはd払い取扱高の10%を還元するキャンペーンを2019年10月から展開。2020年6月末までのキャンペーンで、月間上限は5000円だが、10%還元なので3.24%の決済手数料を支払った以上の還元が得られる形だ。10%還元ということは月間のd払い売り上げが5万円以下であれば満額の10%が還元されることから、手数料以上のメリットがあるため好評だという。

d払い 小規模店舗向けにd払い決済額の10%を還元するキャンペーンを実施している

 「コード決済を導入する個店は、月商100〜200万円ぐらいのレンジの店が多い。そういった店でd払いの売り上げが5万円になるというのは、単一の決済手段としては高い」と田原氏は話し、通常は満額の還元になるとの見通しを示している。

 このキャンペーンは6月末までで、それまで使ってもらって効果を確認してもらいたい考えだが、7月以降の施策も検討しているという。これには政府が開始するマイナポイントによる還元事業も考慮して考えていきたい考えだ。

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