楽天モバイルに聞く「Rakuten Mini」開発秘話 なぜ自社ブランド端末が必要だったのか(2/3 ページ)

» 2020年06月04日 12時00分 公開
[石野純也ITmedia]

約2万円という低価格を実現できた理由は?

―― 自社企画、自社ブランドの端末は初めてだったと思います。形にするには、いろいろと大変なこともあったのではないでしょうか。

塚本氏 先ほど、一昨年の11月、12月からスタートしたとお話しましたが、実は僕が楽天に入社したのも、そのころのことです(笑)。こういうものをやりたいというお話を受け、楽天に入って始めています。初めは人も少なく、ODMのパートナーを決めるのも少ない中でやっていたので大変でしたが、月がたつごとにメンバーが増えていき、セールスの方々も入ってこの端末をどう作るか、どう売るかというところまで話が進んでいきました。

―― FeliCa搭載など、機能も充実していながら、価格が2万円程度だったことにも驚きました。2万円というと、どうしても改正・電気通信事業法の端末購入補助の上限額を思い出してしまうのですが、そこは意識されたのでしょうか。

塚本氏 価格については、ODMと直接やりとりしたのが大きいですね。僕がメーカー出身ということもあり、BOM(Bills of materials=部品表)の積み上げで、あのぐらいの調達価格に収まることはイメージしながら話をしました。コストの議論も、直接やりとりできたのが大きなポイントです。

小野木氏 販売価格に関しては、純粋に卸していただける価格に対して一定の販売利益を乗せているだけです。そのフレームワークに乗せたら、ちょうどあの価格になりました。2万円という上限を意識したことは一切なく、自然体にお手頃な価格を実現できたと思います。

OSバージョンアップは計画していない

―― ソフトウェアに関して、ユーザーインタフェースが独特ですが、同程度のサイズの端末も似たような仕上がりになっています。あれはオリジナルなのでしょうか。

塚本氏 オリジナルです。ただ、オリジナルですが、設計とイメージをお伝えして、あとはODMにお願いしています。他の中国メーカー製端末にああいったものが搭載されているのは知りませんでしたが、もしかすると、そういったことでテイストが近くなっているのかもしれません。

Rakuten Mini ホーム画面が縦方向にスクロールする独自のUIを採用している

―― ソフトウェアアップデートについての方針を教えてください。メーカーによってまちまちですが、ここはどのようにお考えでしょうか。

塚本氏 セキュリティアップデートは、数カ月に1回の単位でやっていきます。ただし、OSバージョンアップは、カスタム品という扱いなので、今のところ計画はしていません。オリジナルで作っているので、OSを上げて、何か(トラブル)が発生することは避けたいと思っています。

楽天端末の中でトップ3の売れ行き

―― 実際に発売してみて、反響はどう捉えていますか。

田中氏 一言で言うと、期待以上の反響でした。詳しい方には、楽天モバイルが初めて出した端末と分かった上で、手に取っていただけています。ポジティブな意見が多いというのが、直感的な印象です。ちょっとした外出時の持ち歩きに便利、小さくてデザインもいいといった意見も聞きます。ランニング時に持ち運び、音楽とおサイフケータイに使うというユースケースも想定していましたが、想定通りの使い方をされている方もいます。売れ行きに関しては、UN-LIMITプランで買える端末の中では、トップ3に入っています。

―― どういった層に受けているのでしょうか。

田中氏 新しいデバイスやテクノロジーに興味がある方は多いですが、だからといって男性に寄っているかといえば、そうでもありません。男女年齢問わず、使っていただけています。新しいライフスタイルにこだわっている方に使われているのではないでしょうか。事前に調査をしたときも、女性に小型の端末を待ち望んでいる方が多くいました。そういう方々も使われているため、いわゆるギークな方だけにウケているかというと、そうでもありません。

―― カラーバリエーションごとの傾向はいかがでしょうか。後から発売されたクリムゾンレッドはコーポ―レートカラーでもありますが、人気のほどはいかがですか。

田中氏 レッドが出てまだ間もないこともあり、アップルトゥアップル(同条件)で比較できませんが、印象としては満遍なく売れています。ブラックやホワイトを好む方は、端末の場合どうしても多くなりますが、うまく散っているという感じです。

Rakuten Mini 4月17日に新色としてクリムゾンレッドも発売した

―― ちなみに、やはり皆さんeSIMでの契約と一緒に端末を買われているんですよね。単体販売もしていますが、そちらはいかがでしょうか。

田中氏 楽天市場だけでなく、楽天モバイルのサイトからも端末だけを購入できるようにしています。バンドルということは強調していませんが、eSIMということもあり、基本的には一緒に買っていただくことが多いですね。ただ、中にはギークな方もいるので、端末で買われてIIJのeSIMを入れてみたり、GoogleのFiを入れてみたりという方もいます。1月に販売を開始したときは、そういった質問もコールセンターに来ていました(笑)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月20日 更新
  1. なぜ? マクドナルド「巨大セルフ注文端末」に批判殺到の理由 UI/UXに価格表示まで……直面している課題とは (2026年05月14日)
  2. ドコモで通信障害か SNSで「圏外になる」「つながらない」の声 (2026年05月19日)
  3. スマホ短期解約問題、事実上の「1年縛り」で決着か ポイント分割付与を条件に総務省が方向性 (2026年05月18日)
  4. IIJmioで中古「iPhone 14/15/16/16e/17」を発売 お得なMNP特価あり (2026年05月19日)
  5. スマホ残価設定に「グループ細分化」案が浮上 Appleは「一律化」に猛反発、「価値が低い機種への不相当な補助」 (2026年05月19日)
  6. ドコモ、「つながりにくい」投稿の原因は「一部MVNOの設備トラブル」と発表 誤認SNSで拡散後、同社が最終結果を報告 (2026年05月19日)
  7. ソニー、炎上した「Xperia 1 VIII」のAIカメラ機能で“火消し“ 「4つの選択肢」を強調 (2026年05月18日)
  8. ソニー、8万円台の高級ヘッドフォン「1000X THE COLLEXION」 素材に金属や合皮を採用 (2026年05月20日)
  9. OPPO Find N6インタビュー:「折り目一点突破」と「Ultra」の禁じ手 日本でフラグシップを急拡大する真意 (2026年05月19日)
  10. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年