6月27日に放映された日本テレビの番組「世界一受けたい授業」にて、スマートフォンの情報を守る手段として「SIMカードロック」が紹介された。このロックをオンにすると、端末を再起動した際や、SIMを他の端末に入れ替えた際などに、4〜8桁のPINコードを入力しないと、モバイル通信や通話が利用できなくなる。
スマートフォンを紛失した際、スマホはロックが掛かっていて中のデータは守れたとしても、SIMを抜き取られて第三者の端末に入れ替えられ、不正に利用されてしまう恐れがある。PINコードを用いたSIMカードロックは、確かにスマートフォンを紛失した際の予防策として便利な機能だが、注意点もある。
1つは、初めて設定する際は、キャリアごとにあらかじめ決められたPINコードを入力する必要があること。初期のPINコードはNTTドコモと楽天モバイルが「0000」、auが「1234」、ソフトバンクが「9999」に設定されている。初めてにもかかわらず、「これから設定するPINコード」と認識して入力すると、誤った番号だと判定されてしまう。そして3回連続で間違えると「PINロック」が掛けられてしまい、スマホが使えなくなってしまう。PINカードは、一度SIMカードロックを設定した後に任意の番号に変更できる。
PINロックが発動すると、端末を再起動したりSIMを入れ替えたりした際に、PINロック解除コードの入力を求められる。入力せずにそのままホーム画面にアクセスすることもできるが、モバイルデータ通信や通話は利用できない(Wi-Fiでのデータ通信は利用できる)。こうした挙動はSIMカードロック時と同じだ。
上記番組の放映後、初期のPINコードを入力せずに3回間違えてしまい、PINロックが掛かってしまった人が多発したようだ。
このPINロックを解除するには、「PINロック解除コード(PUK=Personal Unlocking Key)」を入力する必要がある。そして最大の注意点といえるのが、PINロック解除コードを10回連続で間違えると、SIMカード自体がロックされてしまうこと。こうなると自力で復旧させることはできず、ショップでSIMカードを再発行してもらわなければならない(その際に発行手数料が掛かる)。
では、PINロック解除コードはどこで調べればいいのか。番組を見てPINロックが掛かった人の中には、解除コードを確認すべくショップを訪れた人もいたようだが、三密を避ける行動が推奨される中、なるべくショップに行かずに解決したいところ。カスタマーサポートに問い合わせて確認することもできるが、PINロックが掛かっているとそもそも電話をかけられないので、固定電話か、他の携帯から電話をかける必要がある。実は解除コードは、ショップに行ったり電話をかけたりしなくても確認できる場合がある。
ドコモの場合、PINロック解除コードは「My docomo」から確認できる。My docomoの「ご契約内容確認・変更」の「PINロック解除コード(PUK)を参照される方はこちら」を選択すると、解除コードが表示される。ただし2段階認証の設定をしていると、ロック後はコードの確認ができないので要注意。
auの場合、PINロック解除コードをオンラインで確認する手段はないが、au ICカード台紙の裏側にPINロック解除コードが記載されており、ここから確認できる。台紙がない場合、契約者本人がauショップで確認するか、auお客様センターに問い合わせるしかない。なお、お客様センターでの確認は、郵送でコードを送付する形なので、急ぎの場合はショップに聞くしかない。
ソフトバンクは「My SoftBank」からPINロック解除コードを確認できるが、2段階認証が必須のため、PINロックが掛かった状態では確認できない。My SoftBankのこのページにアクセスしてログイン後、SMSでスマートフォンあてに送付される3桁の番号を入力しないといけないので、PINロックが掛かっていると、そもそもSMSを受信できない。
楽天モバイルの場合、PINロック解除コードはオンラインでは確認できず、コミュニケーションセンターにチャットや電話などで問い合わせる必要がある。
【更新:2020年6月30日9時35分 楽天モバイルのPINロック解除コードの確認方法を追記しました。】
SIMカードロック自体は、スマートフォンやSIMを紛失した際に有効な機能だし、SIMカードロック中も再起動時にPINコードを正しく入力すれば、スマホ自体は問題なく使える。正しいPINコードを認識しておくことが大前提だが、万が一PINロックが掛かってしまった場合に備えて、あらかじめPINロック解除コードをすぐに確認できる状態にしておくのがいいだろう。もちろん、解除コード自体を第三者に見られないよう、取り扱いには十分注意する必要があるが。
なお、日本テレビは世界一受けたい授業の公式サイトで、「ご紹介した方法には携帯電話会社ごとに異なる操作がありますので、手順を確認出来ない場合は、操作を控えて頂くようお願い申し上げます。誤ったPINコードを入力し続けるとSIMカードにロックがかかり、一時的に使用出来なくなるおそれがあります」と補足説明をしている。
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