総務省は6月30日、日本通信が2019年11月15日に申請した総務大臣裁定について、最終的な裁定を行った。これを受けて、同社は「音声定額を含む携帯料金4割削減プラン」の提供を速やかに提供するとしている。
日本通信は、NTTドコモから卸提供を受ける音声通話サービスについて、総務省に以下の2点の裁定を求めた。
これを受けて、総務省は2月4日付で裁定案を電気通信紛争処理委員会に諮問した。
この案では、ドコモに音声通話サービスの卸提供にかかる料金の見直しを求める一方で、通話の(準)定額サービスの卸提供については、原価割れのリスクをドコモが一方的に負う(≒日本通信がリスクをほとんど負わない)ことになることから適当でないとした。
この諮問について、電気通信紛争処理委員会は3〜4月をめどに総務大臣への答申を行う予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあってか順延。答申にかかる委員会は6月10〜11日に「文章(電子メール)による審議」という異例の形で行われた。
議論の結果、(準)定額サービスの卸提供に関する裁定案は妥当として原案通りに答申する(=日本通信の主張を退ける)こととなった。
音声通話サービスの卸提供にかかる料金の見直しに関する裁定案についても、内容は妥当である(=日本通信の主張を認める)とされたが、通話に連動する費用(料金)の課金単位や課金方法、精算方法や新料金の設定日などを、総務大臣が日本通信とNTTドコモから再度意見を聞いてから裁定すべきとの意見が添えられた。
そこで、総務大臣は6月16日付で両社に意見を求め、6月23日付で両社から返答が得られた。
両社の意見を踏まえ、総務大臣は6月30日付で正式な裁定を実施した。この裁定に基づき、NTTドコモは6カ月以内に音声通話サービスの卸提供に関する料金改定を実施することになる。
今回の裁定を受けて、日本通信は「原価ベースによる音声卸料金に基づく音声通話サービスをすみやかに提供」すると表明した。
「定額料金による音声通話サービスと低価格のデータ通信料金を組み合わせることで、MNOの料金から4割削減した料金プランの提供が可能となる」という想定だというが、具体的なサービス設計については「近日中に改めて発表」するとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.