世界を変える5G
インタビュー
» 2020年07月30日 15時00分 公開

arrows 5Gへの「Photoshop Express」統合はどう実現した? 担当者に聞いてみよう (2/3)

[井上翔,ITmedia]

arrowsのカメラのコンセプトを補完するPhotoshop Express

高見氏 arrows 5Gのカメラについて解説する高見氏

―― arrowsのカメラといえば、少し前までは「オートでキレイ」を求めていたように思いますが、「arrows Be3 F-02L」や「arrows U」あたりから手動で設定できる項目も結構増えましたよね。

 arrows 5Gのカメラもその流れを受けたものだと思うのですが、機能面での特徴を教えてください。


高見氏 arrows 5Gは、arrowsとしては初めての3眼構成のカメラとなっています。

 開発に当たっては、複眼カメラ端末の機能的なトレンドを精査した上で、「こういう機能は必要だね」という機能を搭載しています。作り込んでもあまり使ってもらえないだろうと判断して細かすぎる設定項目は(あえて)設けていません

 私たちは従来から、スマートフォンのカメラは簡単かつキレイに撮影できることが重要という考えに立っています。細かい設定をせずに撮影できるという(arrowsのカメラの)軸となる思想は、arrows 5Gでも引き継いだことになります。

(筆者注:arrows 5Gの標準カメラアプリには「マニュアルモード」もあり、フォーカス、ISO感度、ホワイトバランスやシャッタースピードは手動調整できる。ただし、他メーカーのマニュアルモードと比べると設定項目が簡素化されている)

マニュアルモード arrows 5Gの標準カメラアプリには「マニュアルモード」もあるが、設定項目をあえて簡素化している

―― 今回arrows 5GにプリインストールされるPhotoshop Expressは、ある意味で「写真を思い通りにしたい」というユーザーに向けた補完という位置付けでもあるのでしょうか。

高見氏 そうですね。写真を撮った後に加工することができるのはもちろんですが、ユーザーに提供する上ではもっと簡単に使ってもらいたいという思いもあります。

 そこで、撮影時にPhotoshop Expressが自動で調整を行うPhotoshop Expressモードも(撮影モードの1つとして)搭載しました。

―― 標準カメラアプリの撮影モードの1つとして統合したのは、なぜなのでしょうか。

外谷氏 基本的には、arrowsのカメラの考え方である「簡単にキレイ」の延長線上にあります。

 アドビさんの(アプリによる)編集体験を、カメラのシャッターを切った瞬間からもっと手軽に使えるようにするために、今までにはなかったアプローチではあるのですが、撮影すると自動的に加工をかけるモードを設けた次第です。

里村氏 私たちとしては、arrows RXから始まった取り組みを踏まえて、よりユーザーに使ってもらうために、ユーザーにとって近くて自然な形でカメラとアプリの導線を設けられないかと相談させていただきました。

 その中で、より楽しんで使ってもらいたいということで、自然な導線になるようにトライしています。

外谷氏 arrows 5Gでは、プロモーションメッセージの1つとして「FAST(ファスト)」を打ち出しています。(Photoshop Expressモードによる)撮影から加工までの一連の流れも、FASTの一環といえます。

自動保存 Photoshop Expressモードでは、撮影した写真を即座にPhotoshop Expressで自動処理する

―― arrows 5Gのアウトカメラは「広角」「超広角」「望遠」という組み合わせになっています。このような組み合わせとしたのはなぜでしょうか。

高見氏 他社さんを見ていると、深度測定(ToF)カメラを設けるケースがあります。一部では、撮影用の2基のカメラとToFカメラを合わせて「三眼」としていますが、ToFカメラでは撮影は行わないので、実質「二眼」です。特性の異なる撮影用カメラを3つ備えてこそ、三眼といえるわけです。

 では、どのようなカメラを備えるかという話になるわけです。arrows 5Gでは広角、超広角、望遠という組み合わせとしました。

 望遠は、シンプルに「もっと遠くの風景を撮りたいよね」ということで(標準となる広角カメラ基準で)3倍のものを搭載しました。倍率をさらに高めることも不可能ではないのですが、高くしすぎると手ブレが発生しやすくなります。手に持って撮影することを考えて、3倍としています。

 超広角は、もっと広い範囲を撮ろうということで搭載しました。

―― 個人的には超広角の代わりに「接写」を入れても良かったような気もするのですが……。

高見氏 実は、開発段階では接写カメラを搭載する検討もしました。花のおしべや虫の顔を撮る場合は(独立した)接写カメラは有効で、あっても良いとは考えました。

 しかし、現在のスマホのカメラは結構寄って撮れます。そのこともあり、今回は搭載を見送りました。

アウトカメラ arrows 5Gのアウトカメラは広角、超広角、望遠の三眼構成

―― arrows 5GにプリインストールされるPhotoshop Expressは、arrows 5G用に別途開発されたものなのでしょうか。それとも、アプリ自体は一般的なAndroid端末向けと同一なのでしょうか。

里村氏 (arrows 5Gの)カメラアプリとのつなぎ込みは弊社のエンジニアとFCNTさんのエンジニアと連携して実装してはいますが、Photoshop Expressのアプリ自体は他のAndroid端末と同一です。このような取り組みは、アドビとしては初めてとなります。

―― ということは、arrows 5Gのソフトウェア側で連携実装をしているということですか。

高見氏 そういう認識で大丈夫です。(アドビ側で)連携するための「入り口」だけ作ってもらって、arrows 5Gのカメラアプリからそれを呼び出す形を取っています。

―― そうすると、今後のPhotoshop Express側のバージョンアップでうまく連携ができないということも考えられますが、何か対策はされているのでしょうか。

高見氏 ゼロと言い切ることはできませんが、そのようなことが極力起こらないような実装方法を取っています。

外谷氏 Photoshop Expressモードで使っている(Photoshop Expressアプリの)機能が廃止されるようなことがない限り、バージョンアップによる問題は起こらないはずです。

里村氏 近い将来において、連携機能に支障が出るようなアプリの機能変更は予定していません。遠い将来では分かりませんが、ご不便をおかけするようなことはないように取り組みます。

動画撮影にも新機能あり

―― 動画の撮影では何か新機能はあるのでしょうか。

高見氏 最近のミドルレンジ機で展開していた「Live Auto Zoom」に加えて、今回は「ワイプ撮影」と、AIが人の動きを検知してスローモーションをかける「AIスローモーション撮影」を新規に搭載しています。

外谷氏 Live Auto Zoomについては、背景ぼかしにも対応しました。

新機能 動画撮影では、ワイプ撮影やAIスローモーション撮影に新規対応している。動画の撮影解像度は、通常撮影時が最大で4K(3840×2160ピクセル)、ワイプ撮影はフルHD(1920×1080ピクセル)、AIスローモーション撮影時はHD(1280×720ピクセル)となっている

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