「スマホ3000万契約」「5G比率6割」――ソフトバンク宮内社長が2023年度までの目標を示す 達成は今後のiPhone次第?2020年晩秋には「5G祭り」(2/2 ページ)

» 2020年08月04日 21時30分 公開
[井上翔ITmedia]
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2020年晩秋から「5G祭り」 2023年度にはスマホの6割を“5G”に

 ただ、従来通りの戦略を強化するだけでは目標達成は難しい。そこでソフトバンクが新たな成長ドライバーとして据えるのが、3月から商用サービスを開始した「SoftBank 5G」だ。

 同社では、5G基地局を2021年3月末までに1万局、2022年3月末までに5万局とする計画だ。KDDIとの合弁会社「5G JAPAN」を通して、主に地方部での基地局開設やインフラ共有も進める。

 一方、端末面では2020年晩秋から2021年にかけて「5G祭り」となる。現状の5Gスマホは「ミドルハイ」から「ハイエンド」という布陣になっているが、5G対応のローエンド(エントリー)モデルも用意することで、一気に5Gスマホの普及を図る。

 2023年度末には、同社のスマホ契約の6割を5Gとする目標を掲げている。コンシューマー分野で5Gをしっかり普及させることで、法人向けのIoTサービスなどにおける5G利用も促進する狙いもある。

基地局整備 5G基地局を着実に整備し……
スマホ契約数 2023年度末までにスマホ契約数の6割を5G契約とする計画だ

計画の達成は「iPhone」次第?

 2023年度末までの「スマホ契約者数3000万件」「5Gスマホ比率6割」を達成するには、エリア拡大と端末ラインアップの拡充を両輪で進めていく必要がある。

 この点について、決算説明会で行われた関連する質疑応答を簡単にまとめる。

―― 5Gの現状についてお伺いします。現時点でのエリアはまだ「スポット」であるという話がありましたが、(5G通信サービスの)契約数はどのくらいまで来ているのでしょうか。目標通りの進捗(しんちょく)かどうかも教えてください。

宮内社長 (数値的に)低い計画ですが、計画通りではあります。(筆者注:ソフトバンクでは5Gサービス単体の契約数を公表していない)

 現在、弊社では5Gスマホを4機種を取りそろえていますが、ネットワークが広がっていないこともあり、ある意味でまだ「ショールーム」的な世界観です。これが本格的に動き出すのが、秋以降になります。Googleも5Gスマホを出すと発表しましたし、まだ分かりませんが、いつかはiPhoneも(5Gスマホとして)出てくるはずです。

 いち早く5Gネットワークを構築していかないといけないと考えています。

―― 2023年度末の「5Gスマホ6割」の「6割」は、スマホ(向け通信サービス)の契約者数に占める割合という理解で良いでしょうか。そうなると(これからの約3年半で)かなりの数の5Gスマホを販売しなければならないことになりますが、“秘策”はあるのでしょうか。

宮内社長 その理解で大丈夫です。私としては、これから一気に(5Gスマホに)変わっていくと考えています。

 5Gネットワークは2021年度末までに「人口カバー率」ベースで90%に達する計画で、(事実上)全国どこでも使えるようになります。なので、移行は確実に進むと考えています。

 以前の3G(W-CDMA)から4Gへの移行と同じような感じですが、それよりも(移行は)速やかに進むでしょう。

―― 5G端末の販売は計画通りとのことですが、この点において新型コロナウイルスの影響は受けてないのでしょうか。

宮内社長 元々、5Gはスタートから「大量にドーンと売る」ような計画ではありませんでした。そういう意味ではあまり影響は受けていないという認識です。

榛葉淳副社長 全体的にはほぼオントラック(計画通り)です。ただ、正直にいうと、(ソフトバンクショップにおける)販売活動を縮小した5月には若干の(悪い)影響が出ました。この時期までに投入した3機種に加えて、7月末には新機種を投入して、全体で見ると予測通りの推移となった感じです。

 今後リリースされるスマホは当然ながら(原則として)5G対応となります。それが「5G」としてカウントされるわけです。宮内(社長)が言った通り、秋から一気にラインアップを拡充するので、(普及は)さらに加速すると考えています。

 今までのiPhoneの通信規格への対応傾向を見ていると、Androidスマホに対応機種が出てきた1〜2年後にフォローすることが多い。それに従うと、宮内社長の見立ての通り、今年(2020年)に発表されるであろう新型iPhoneは5G対応を果たす可能性がある。

 ソフトバンクの計画達成は、特にiPhoneの5G対応が鍵となりそうだ。

榛葉副社長 リモートで質疑に応じる榛葉副社長
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