「ハードウェアQWERTYキーボードを搭載したスマートフォン」としてこれまで評価してきたUnihertz TitanもCosmo Communicatorも、プロセッサはMediatekのミドルレンジモデルとなる「Helio P60」(Unihertz Titan)、「Helio P70」(Cosmo Communicator)を採用する。
対してF(x)tec Pro1は、Qualcommの「Snapdragon 835」(MSM8998)を採用した。800番台のSnapdragonということでハイエンドラインアップではあるが、その登場は2017年第1四半期で、今となっては3世代前の旧式モデルといえる。8コア構成だが処理能力優先で動作クロックが2.46GHzの4コアと省電力優先で動作クロック1.9GHzの4コアを組み合わせた「big.LITTLE」構成としている。グラフィックスコアは「Adreno 540」を統合する。
その他、F(x)tec Pro1のシステム構成は次の通りだ。
かつてのハイエンドプロセッサでどのぐらいの処理能力を発揮できるのか。ベンチマークテストを実施してみた。なお、比較対象としてCosmo Communicatorのスコアを並べてみた。
| モデル | F(x)tec Pro1 | Cosmo Communicator |
|---|---|---|
| Antutu Benchmark | 218075 | 177415 |
| Antutu Benchmark CPU | 69623 | 72582 |
| Antutu Benchmark GPU | 65865 | 29385 |
| Antutu Benchmark MEM | 45057 | 38188 |
| Antutu Benchmark UX | 37530 | 37260 |
| PCMark for Android Work 2.0 Performance Score | 7250 | 8034 |
| 3DMark Sling Shot Extreme OpenGLES 3.1 | 3270 | 1263 |
| 3DMark Sling Shot Extreme Vulkan | 2788 | 1250 |
グラフィックス処理能力を測定するベンチマークテストでは圧倒的なスコアをたたき出しているが、一方でCPUの処理速度に依存するテスト項目ではHelio P70を下回る結果となった。
これまで、ハードウェアQWERTYキーボードを搭載したハンディデバイスとしてUnihertz Titan、Cosmo Communicator、そしてF(x)tec Pro1を評価してきた。一言でハードウェアQWERTYキーボード搭載といっても、それぞれ性格は大きく異なる。
ストレートボディーのUnihertz Titanはスマートフォンのように「立った状態でもキーをタイプしたい」ユーザーに特化したデバイスで、Cosmo Communicatorは「座って卓上に置いて両手でタイプする」ことを前提としたデバイスだ。そして、F(x)tec Pro1は、「通常はスマートフォンのようにタッチ操作で使い、文章を打ち込みたいときはハードウェアQWERTYキーボードを使う」という、まさに“両用戦”に耐えうる数少ないデバイスといえる。
多くの時間をスマートフォンとして使いたいが、文章をがっつり書く場面も少なからずある、というユーザーなら、F(x)tec Pro1は検討に値するモデルといえる。
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