対するAQUOS sense5Gは、AQUOS senseシリーズの特徴を受け継いだど真ん中のミドルレンジモデル。価格は5Gに対応した分、従来のAQUOS senseより「数千円程度」(同)高くなるが、大幅にコストが上がったわけではないため、販路によっては3万円台に収まることになりそうだ。AQUOS sense5Gで目指したのは、「みんなの5Gスマホ」(パーソナル通信事業部 商品企画部 課長の清水寛幸氏)だという。
こだわったのは、「レスポンス」「電池持ち」「使いやすさ」の3点だ。まず、レスポンスは、プロセッサにSnapdragon 690を採用したことで、処理速度が大幅に上がった。AQUOS sense3に搭載されていたSnapdragon 630と比べ、実に2.4倍もの性能向上を果たしているという。展示機でGeekbench 5のスコアを確認したところ、シングルコアスコアが178から562に、マルチコアスコアが1010から1584と大きく上っていた。ストレージにもUFSを採用し、読み込み速度が2.4倍に高速化されたという。
5Gに対応したことでバッテリー消費が激しくなってしまう心配もあったが、この不安は、輝度効率を5%アップさせた新世代IGZOと4570mAhのバッテリーで解消した。5Gでの動画再生は12時間、ビデオ通話で5時間、普段使いなら実に1週間と、AQUOS senseシリーズで定評のあったバッテリーの持ちはそのままだ。
使いやすさを追求するため、独自機能にも磨きをかけた。高速通信の5Gを生かす機能として面白いのが「テザリングオート」。自宅や職場など、あらかじめ指定した場所に着いたとき、自動でテザリングがオンにすることができる。使い放題の料金プランを契約しているユーザーが、自宅と外出先の回線を一本化したいような場面で、役に立つ機能といえそうだ。また、指紋センサーの長押しにコード決済アプリを割り当てる「Payトリガー」も、キャッシュレス決済のトレンドに乗った機能として評価できる。
AQUOS senseシリーズは、大ヒットを記録し、世代を重ねるごとに販売数を伸ばしている。現行モデルのAQUOS sense3は、大手キャリアやMVNOなど、さまざまな事業者が取り扱い、出荷台数は300万台に達する見込みだ。AQUOS sense5Gはその直接的な後継機で、価格も大幅に上がっていないだけに、再び大ヒットを飛ばすことが期待できる。伸び悩みを見せている各社の5Gを普及させる、起爆剤になりそうだ。
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