―― 一方で、UQ mobileを統合してauとマルチブランド展開していくというお話もありました。
高橋氏 航空会社と同じで、あまりサービスを期待せずに安いものを選ぶ人と、きめ細かなサービスを求める人の両方がいます。その意味で、UQのMNO化は最大に分かりやすい。ブランドを2つに分けるということです。うちのユーザーも格安スマホに流れていますが、もうちょっとサービスが欲しいという人は戻ってきてもいます。行ったり帰ったりできるのはいいのではないでしょうか。
―― サブブランドではなく、マルチブランドというお話を強調していましたが、その心は?
高橋氏 UQの人たちは、ベンチャーっぽく自分たちのよさを作ってきました。彼らがうちに入ったときに、それを「サブ」というのはあまりにも失礼だからです。これは、社員に対するメッセージでもあります。auがメインでUQがサブなのではなく、あるターゲットに向けたメインはauでも、別のターゲットに向けたメインはUQです。
―― Apple Watchのファミリー共有設定にも3キャリアの中で唯一対応しました。なぜこれをやろうと思ったのでしょうか。
高橋氏 循環モデルができていますからね。親のApple Watchを子どもに渡して、iPhoneがない子どもでも電話番号が持てる。昨年(2019年)から、ティム・クックにもApple Watchを頑張ると言っていました。実際、今年(2020年)は店舗も拡大しました。
Appleが発表会で語っていたように、iPhone 12シリーズは、5G対応にあたり、キャリアとの協業を強化している。料金プランと通信方式を見て、コンテンツのクオリティーを変える取り組みは、その成果の1つ。いち早くデータ容量無制限の料金プランを打ち出していたKDDIにとって、重要な機能といえる。
5Gは異業種への広がりが期待されているが、そのためにはエリアが十分に広がっている必要がある。端末を普及させ、ユーザーに使ってもらうことは、キャリアがインフラを広げる動機になる。5Gに移行するユーザーが増えれば、IoTなどに応用するためのベースが作りやすくなるというのがKDDIの考えだ。3キャリアが取り扱うiPhone 12シリーズで、そんな5Gの拡大競争が活性化するのかは注目しておきたいポイントだ。
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