「iPhone 12」シリーズで残念だと感じたのは、Touch IDが搭載されなかったこと。ホームボタンのなくなった「iPhone X」以降、iPhoneの生体認証はFace IDに統一され、Touch IDは廃止されてしまった。しかしマスクを着けて過ごす時間が増えた昨今、マスク装着時には機能しないFace IDに不便さを感じている人は多いだろう。
そんな中、iPhone 12と同じ10月23日に発売された「iPad Air(第4世代)」は、トップボタンにTouch IDを搭載してきた。iPhoneやiPadのTouch IDは、これまでホームボタンに搭載していたが、側面に搭載したのはiPad Airが初めて。これなら、狭額縁設計とTouch IDを両立できる。
iPad AirはFace IDは採用しておらず、生体認証はTouch IDしか使えないのだが、iPhone 12ユーザーの中にも、このトップボタン型Touch IDを搭載してほしかったと思った人は多いのではないだろうか。
iPhone 12はサイドキーが右側面にある。右手で握ると親指が、左手で握ると人さし指か中指がちょうどこのサイドキーに触れる形になる。もしiPhone 12のサイドキーにTouch IDを搭載していたら、快適にロック解除ができただろう。
サイドキー(電源キー)に指紋センサーを搭載するのはAndroidスマートフォンで見られる。最近のモデルなら「Xperia 1 II」「Xperia 5 II」や「ZenFone 7」が採用しており、珍しいことではない。
iPad AirのTouch IDも実際に試してみたが、トップボタンに指を当てればロックが解除される。失敗することはほとんどなく快適だ。指紋は複数登録できるので、縦向きに持つ際は右手人さし指を、横向きに持つ際は左手人さし指を、という具合に登録しておくと便利だ。
サイドキーにTouch IDを搭載するのなら、現在よくあるサイドキーを覆う形のケースは現実的ではないが、サイドキー部分は空けた構造にすればよい。このように、サイドキー型Touch IDのハードルは決して高くない(と思われる)だけに、iPhone 12シリーズでTouch IDが復活しなかったのは残念でならない。
これもAndroidスマートフォンで多い、ディスプレイに内蔵する指紋センサーも、指を大きく動かす必要がなく、親指を当てればいいので快適だ。今後のiPhoneでTouch IDが復活するとして、サイドキーとディスプレイのどちらに搭載するのだろうか。あるいは、別の形で生体認証が追加されるのだろうか。
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