ソフトバンクが5Gで無制限プランを提供へ 政府の値下げ要請はY!mobileでカバー(1/2 ページ)

» 2020年11月04日 23時28分 公開
[小山安博ITmedia]

 ソフトバンクは4日、2021年3月期第2四半期の決算を発表した。連結業績は売上高が前年同期比2.3%増の2兆4284億2700万円、営業利益は同6.8%増の5896億500万円で増収増益だった。純利益は減益となったものの、評価損などの一時要因だったため、同社の宮内謙社長は通期予想に対する進捗(しんちょく)は順調と指摘。国内通信事業は政府の値下げ圧力もあって不透明だが、幅広い事業構造によって相対的に通信事業への依存度を減らしたことで、トータルとして増収増益を達成した。

ソフトバンク ソフトバンクの宮内謙社長

 セグメント別では、モバイルの売上高が前年同期比微減となる8464億8000万円。端末販売は2114億900万円で500億以上の売り上げ減となり、コンシューマー事業全体では減収となったが、ブロードバンドやでんきの各事業が好調で、主力の通信サービス売上は増加した。

ソフトバンク
ソフトバンク 売上高と営業利益は堅調で増収増益

 同社は全体の売り上げに占めるモバイル通信料の割合を低下させており、2019年度は売上高で29%、営業利益で38%とそれぞれ20%近く割合が下がっている。もともと2015年当時に比べて、1GBあたりの単価を下げたことで、モバイル収入が低下。Y!mobile、LINEモバイルというマルチブランド戦略で幅広いユーザーニーズをカバーして契約数を伸ばしたことで、売上減を補う形だ。

ソフトバンク 本業の通信事業は減収だが、サービス売り上げは増加した
ソフトバンク 全体に占めるモバイル事業の割合が減少しているため、減収影響を抑えられた

無制限プランは後日発表する

 政府の値下げ要請に対しては、20GBで4480円(税別)のプランをY!mobileで提供。3ブランドで小容量から大容量までをそろえているが、隙間だった20GBのプランを提供することでニーズに応えているとの認識だ。ソフトバンク本体で直接の値下げは想定していないようだが、5Gでの無制限プランを提供することを予定。「無制限プランは後日発表できる」と宮内社長は述べた。

ソフトバンク Y!mobileとソフトバンクのちょうど中間となる20GBのプランを新設

利益率が20%を超えても問題なし?

 宮内社長は、ユーザー1人あたりの平均単価が5年前の5720円から4750円に2割下がったことや、契約解除料の廃止、来春までにMNP転出手数料を廃止する点などもアピール。利益率20%を超えることを政府から問題視されている点について、「成長し、収益を上げ、それを還元するというのが民間企業の重要な仕事」とコメント。例えば「欧米の企業、例えばベライゾンは利益率が3割と高い」としつつ、利益を上げることで税金を多く支払い、株主に還元していることを指摘する。

ソフトバンク
ソフトバンク ソフトバンクの料金は大容量化に伴い、1GBあたりの単価は低下。5年前に比べると80%以上の値下げになっているという
ソフトバンク 3つのマルチブランドでユーザーニーズを幅広くカバー
ソフトバンク ユーザーあたりの平均単価も2割下がったという

 さらに、そうした利益は設備投資にも使われており、「過去15年間で5兆円の投資をしたし、これからも相当な投資をしていかなければならないのが、ライフラインとしての通信事業者」と強調する。

 モバイルへの投資は今後もさらに継続。特に5Gやさらに次世代の6Gに向けて今後10年で2.2兆円の設備投資を行う。同社副社長兼CTOの宮川潤一氏は、5Gに必要な基地局数を「10年間で35万局は最低でも必要」という試算を示し、2.2兆円でも足りない可能性も示唆する。

ソフトバンク 5兆円という多額の投資を行い、さらに継続して投資を続ける必要がある、と宮内社長
ソフトバンク 5Gだけではなく6Gも見据えて2.2兆円の投資を予定する

 売り上げに対する貢献で相対的にモバイルの割合が下がったのは、ヤフーを擁するZホールディングスを完全子会社化したことに加え、法人ビジネスが成長したためだ。法人事業はソリューションなどのセグメントが17%増となり、法人事業全体で7%の増収。コロナ禍におけるテレワーク需要によって利益も18%増となった。

ソフトバンク 全体の決算に占めるヤフーの貢献は大きい
ソフトバンク 利益もヤフーと法人の大幅な増益が貢献した
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