世界を変える5G

「Pixel 5」徹底レビュー 星空も撮影できるカメラ、4キャリアの5G+eSIM対応が魅力(5/5 ページ)

» 2020年11月13日 11時00分 公開
[島徹ITmedia]
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 サウンド周りは、ステレオスピーカー内蔵で本体上部と底面スピーカーから鳴る。音量や音の広がりは良好で、音声や動画を聞き取りやすい。ただ、音のバランスは底面スピーカー側に偏っており、ステレオ収録を生かした楽曲だと不自然さを感じる。イヤフォン端子は非搭載なので、BluetoothイヤフォンかUSB Type-Cのアダプターが必要となる。

 バッテリー容量は4080mAhと、従来モデルと比べ大容量。ヘビーに使っても1日以上利用できた。前機種Pixel 4はバッテリー容量が2800mAhでSoliレーダーなど新機軸の機能を搭載したことで、本格的に活用する人からはバッテリー持ちの不満も見られた。だが、今回はバッテリー容量が多く機能や性能も抑えたためか、バッテリーの減りはかなり緩やかだ。

 充電周りは、USB PD(18W)の充電器が付属。30分で50%、フル充電まで1時間18分だ。ワイヤレス充電(Qi)に対応する他、本体に乗せたQi対応機器を充電できるバッテリーシェア機能も利用できる。

Pixel 5 購入時の箱と付属品。USB PD(18W)の充電器とケーブル、主にデータ移行用の変換アダプターが付属する
Pixel 5 バッテリーシェア機能を搭載。クイック設定パネルの「電池の共有」から有効にする
Pixel 5Pixel 5 ワイヤレス充電にも対応(写真=左)、別売りの「Google Pixel 5 ケース(5280円)」リサイクルプラスチック製だが、粗めの布のような質感を実現。洗って使える(写真=右)

 Android 11では、新たに“Android版AirDrop”ともいえる近距離ファイル交換の「ニアバイシェア」や、電源キー長押しで表示される電源メニューからのホーム機器操作に対応。アプリがカメラやマイクを利用する際のアクセス権限の許可も、「今回のみ」を選べるなど細かくなっている。一方で、音声レコーダーの文字起こしは今のところ英語のみ対応だ。

Pixel 5Pixel 5 電源キー長押しのメニューに、ホーム機器を操作できるデバイスメニューが追加。Chromecast対応テレビへの画面ミラーリングもここから操作できる(写真=左)、Android 11とは関係ないが、ディスプレイ設定からホーム画面のデザインやアイコンサイズを細かく変えられる(写真=右)

カメラ、5G、最新OSは魅力だが、通常利用だとライバル多数

 繰り返しになるが、Pixel 5の魅力は星空も撮れるカメラの画像処理技術、楽天やeSIM対応を含む5G対応キャリアの広さ、最新のAndroid OS対応だ。これらの3つの機能を全て魅力的だと感じる人なら、今すぐ買うべきスマホといえる。

 日常利用するスマホとしてみた場合、Pixel 5は処理性能がある程度高く、手ごろな画面サイズと軽量さに、指紋認証センサーとおサイフケータイ・防水を搭載。バッテリー持ちもよい。だが、これらを実現したスマホは、安価なものを含め他社からも数多く発売されている。デザインや操作性も含めたライバルモデルとの比較は必須だ。

 最新Androidスマホだと、ドコモとauが取り扱う同価格帯で大画面の「Galaxy A51 5G」や、auの「AQUOS zero5G basic DX」あたりがライバルだ。性能は若干下がるが、かなりお買い得価格になるとみられるドコモの「AQUOS sense 4」、ドコモとauが取り扱う2021年春に発売予定の「AQUOS sense5G」も強力なライバルとなる。いずれも前面に指紋認証センサーを搭載し、顔認証にも対応。普段使いでは使いやすいモデルだ。

 iPhoneと比べた場合、12シリーズは価格と性能ともにおおむね上位なので、自身の懐具合との相談となる。SIMロックフリー版「iPhone 11」との比較だと価格は同等、性能はiPhone 11、スリムさはPixel 5の方が上だ。「iPhone SE(第2世代)」との比較だと、カメラとバッテリー持ちはPixel 5が優れており、価格と高画質ゲームの処理性能はiPhone SEが優位だ。

 Pixel 5を冷静に見ると、秋冬から春にかけてのスマホ商戦の激戦区に位置する1モデルとなってしまう。Pixel 5ならではのカメラ、5G、最新OSに魅力を感じるか。購入時に迷ったなら、これらの重要度を軸に考えるといいだろう。

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