カメラの構成は、広角1220万画素(F1.7、画素ピッチ1.4μm)と、超広角1600万画素(F2.2、画素ピッチ1.0μm)の2つだ。広角はレンズが明るく高感度、夜景や天体撮影に向いている。超広角は屋外日中で広い範囲を撮るためのカメラだ。
まずは天体撮影機能を紹介しよう。個人だと一般的には一眼デジタルと三脚で10秒程度の撮影になるが、Pixelシリーズでは4分間に15枚の長時間露光と画像合成処理により撮影を可能とした。センサーは小さくとも、汎用(はんよう)性の高いプロセッサを利用したスマホならではの撮影方法だ。Pixel 5の場合、超広角より広角の方がロ―ノイズでキレイに撮れる。実際に撮影したものが以下の写真だ。
ちょっと地味に見えるかもしれない。実際、天体撮影はある程度見やすく加工しないと見づらい部分がある。ただ、Pixel 5には天体写真用のフィルターを搭載。フォトアプリで編集機能を使えば、かなり見栄えがよくなる。
ただ、この天体撮影は条件がかなり厳しい。撮影条件は「星空の見える空に向け、Pixel 5を夜景モードに設定し、三脚などで固定する」というものだが、この星空の見える空の用意が大変だ。都市部の光害が少なく、月の出ていない日時で、雲1つない晴天が前提となる。もし試すなら、安全に注意して郊外の公園や海岸、渓谷や山などの星空観察スポットや、キャンプ場や高山の山小屋を利用しよう。撮影時はPixel 5を三脚に設置したまま「星座表」や「Star Walk 2」など星図アプリのジャイロコンパスを有効にして表示すると、目当ての星を狙いやすくなる。
この天体撮影を利用するには、撮影時期や場所の下調べが必要だが、この機能をきっかけに少し遠出してみるのも楽しいだろう。また、キャンプや登山の機会が多い人にとっては、最小・最軽量クラスの風景+星空撮影カメラとして魅力的ではないだろうか。
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