MagSafe充電器の充電を妨げる、発熱を解消してみたらどうなるでしょうか。
ここで用意したのが、100円ショップで売られているスマホ向けのUSB冷却ファン。一般的なUSB端子につなぐとファンが大きい音で高速回転し、スマホを冷やすアイテムです。これで、MagSafe充電器とiPhone 12 Proを冷やしながら充電してみました。ファンの利用は、他社の高出力なワイヤレス充電器でも時々見られる仕様です。
するとグラフの通り、充電速度が高速に。通常のMagSafe充電器と比べ、充電速度が150%速くなりました。これは、MagSafe充電器の充電速度が15Wで速くなったという発表内容への期待を超え、有線の急速充電に近い使い勝手になっています。
詳しく書くと、MagSafe充電器の表面温度は高くて34℃あたりとなり、50%充電までの間はApple製「20W USB-C 充電アダプタ」の供給電力は約12W(9V/1.3A台)で安定。「Anker PowerPort III 65W Pod」の場合は約18〜9W(9V/2〜1A)の間を上下しつつも、多めの電力を上下しつつも供給しました。いずれも、通常のMagSafe充電器の11〜4W(9V/1.2〜0.5A)で上下を明らかに超えています。
特殊な条件下の結果ですが、この結果が普段から見られたなら、最大15Wで充電といううたい文句にも納得、マストバイの製品と言えたでしょう。
ただ実際のところ、MagSafe充電器を購入した人が充電時に騒音のする冷却ファンを別途用意して充電するというのは考えられないでしょう。スマートな解決策としては、MagSafe充電器に放熱板を取り付けるなど、MagSafe充電器とiPhoneを冷やしつつも自然に使いやすい仕組みが必要です。
そこで、自作PC用として524円(税込み)で販売されているアルミ製ヒートシンク「アイネックスYH-3820A」を取り付けてみました。
ですが、こちらの結果はやや微妙。MagSafe充電器の温度を約2℃下げて36℃あたりにはなりましたが、充電速度への影響や約1割短くなる程度でした。
冷却ファンなしでMagSafe充電器を冷却しつつ充電を速くするには、もう少し本格的な対策が必要なようです。
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