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» 2020年12月19日 06時00分 公開

ドコモ新料金プランの狙いを解説 「5Gは容量無制限」「正価の安さ」が強み石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

[石野純也,ITmedia]
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大容量や3Gからの移行が課題だったドコモ、他社も対抗する可能性大

 ドコモが5Gギガホ プレミアやはじめてスマホプランを導入した背景には、2つの課題がある。田村氏は、「大容量プランの獲得と、3G利用者のマイグレーション(移行)が喫緊の課題」(田村氏)と語る。他社と比べ、ドコモは大容量プランのユーザーの比率が低く、結果として1ユーザーあたりの平均トラフィックは、大手3社で最も少ない。総務省が12月に公開した調査資料によると、1契約者あたりの総トラフィックは3.7GBで、7.1GBのKDDIや13.7GBのソフトバンクに大きく差をつけられている。

ドコモ 総務省の「携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の評価結果の概要」を見ると、ドコモの平均トラフィックは他社に大きく水を開けられていることが分かる

 鳥塚氏によると、新料金プランでギガホを前者を選ぶユーザーは、3割弱にすぎないという。5Gギガホでは、比率が上がり4割程度になるというが、料金プランの改定によって「この比率がさらに上がってくることを期待している」(同)という。値下げにはなるが、「競争力のある料金体系で、ポートイン(流入)の強化やポートアウト(流出)の抑止がある」(田村氏)ため、減収幅もある程度抑えられると見ているようだ。

 もう1つの課題は、フィーチャーフォンユーザーの移行だ。ドコモは、3GサービスのFOMAとiモードを、2026年3月に終了する。KDDIは2022年3月、ソフトバンクは2024年1月にサービスを停止する予定だ。とはいえ、現時点でも「iモードは500万契約、iモード契約のない方を含めるとそれより多い」(鳥塚氏)ユーザーが、3Gのままだ。こうしたユーザーを巡り、「他社との間でスマートフォンに変えていただく競争が激化している」(同)。

ドコモ フィーチャーフォンから移行するユーザーがドコモを選ぶよう、はじめてスマホプランを導入する

 こうしたユーザーに対し、ドコモははじめてスマホプランを導入。キャンペーンではなく、正式プランの1つとして展開する。料金は1650円。3Gケータイからの移行が契約の条件になるが、1650円で4G、5Gのどちらも利用できる。データ容量は1GBと少ないが、5分間の音声通話定額がつくため、フィーチャーフォンと同水準の料金で使いたい人には、うれしい料金プランといえそうだ。正価としては、同じく料金プランの形を取るソフトバンクの「スマホデビュープラン」の2480円より安い。

 ahamoに続き、矢継ぎ早に新料金を打ち出したドコモだが、競争上、他社も対抗値下げをせざるをえなくなるだろう。実際、KDDIは「他社の戦略についてお答えできる立場にない」としつつも、「新たな競争力のある料金プランに加え、auの料金水準の見直しなどを発表する予定」(広報部)とコメント。auブランドで提供する、無制限プランの料金を見直す構えだ。ソフトバンクは静観しているものの、KDDIが対抗すれば、対応を余儀なくされそうだ。料金水準の見直しはもちろんだが、ドコモが打ち出したようなシンプル化にも期待したい。

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