データ容量が無制限の料金プラン同士で比較すると、5Gギガホ プレミアの6650円は、他社と比べて大幅に安いことが分かる。KDDIがauブランドで提供する「データMAX 5G」は正価が8650円で、ドコモより2000円高い。データMAX 5Gは、「家族割プラス」の割引額が4回線目で2020円と大きくなるが、期間限定の割引を除いた最低利用料は5460円で、ドコモより約1000円高い。データMAX 5Gは、容量無制限だが、テザリングには30GBという制限もあり、5Gギガホ プレミアのメリットが際立っている印象だ。
田村氏は、「基地局、コアネットワーク、サーバの話があるが、トータルで見ても影響は少ないということで、戦略的に(無制限に)対応した。テザリングも、今回の料金プランで対応できる」(田村氏)と自信をのぞかせた。ドコモは、5Gギガホ導入時に、終了期間未定のキャンペーンとして容量無制限を打ち出していたが、正式プランになったことで、いつ終わるか分からない不安感は払拭(ふっしょく)された。テザリングまで含めての無制限は、インパクトが大きいといえる。
ソフトバンクには、そもそも容量無制限の料金プランが存在しないが、最も近い月50GBの「メリハリプラン」が8480円で、旧5GギガホやデータMAX 5Gに近い水準だ。5Gギガホ プレミアは、メリハリプランと比べても1830円安い上に、データ通信も無制限に利用できる。メリハリプランには、動画やSNSなど、特定サービスの通信を通信量のカウントから除外するゼロレーティングが導入されているものの、容量無制限の前では魅力が乏しく見える。割引後の価格もドコモより1000円高い。
KDDIやソフトバンクには、期間限定の割引もあり、6カ月間から1年はドコモより安いか、同水準で利用できるが、こうした形の割引は、料金の正価が分かりづらくなり、分かりにくさにもつながる。鳥塚氏は「他社は期間限定の割引が非常に強く、最安値で比較されてしまうとプレミアプランより安く見えるかもしれないが、6カ月後、1年後に高くなるのはどうかということで、それはやめた。正価できちんと比較していきたい」と強調。期間によって価格が変わってしまう複雑さを排除したという。
みんなドコモ割やドコモ光セット割などは残るため、ワンプランを打ち出したahamoとは異なり、いくら支払うのかは計算が必要になるが、複雑さを最小限に抑えようとした努力は垣間見える。ドコモの場合、「みんなドコモ割が適用されている人は2回線以上で8割超、3回線以上で7割超と多くの方にご利用いただいている」(同)状況のため、1000円の割引も適用されやすい。家族でお得に利用できるというコンセプトの下では、分かりやすい料金プランといえる。
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