世界を変える5G
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» 2021年01月09日 06時00分 公開

石野純也のMobile Eye:2021年のモバイル業界を占う 「携帯料金値下げ」と「5Gの拡充」はどこまで進む? (1/3)

料金値下げや5Gのスタートに沸いた2020年だが、どちらも道のりは半ばだ。ドコモのahamoや、ソフトバンクのSoftBank on LINEがスタートするのは3月で、大容量プランの値下げもまだ発表されただけの段階。一方で、5Gのエリアも、まだ十分とはいえない。エリアの広がりとともに、端末のバリエーションも今以上に広げる必要がある。

[石野純也,ITmedia]

 料金値下げや5Gのスタートに沸いた2020年だが、どちらも道のりは半ばだ。ドコモのahamoや、ソフトバンクのSoftBank on LINEがスタートするのは3月で、大容量プランの値下げもまだ発表されただけの段階。KDDIの対抗策も、現時点では打ち出されていない。第4のキャリアである楽天モバイルや、MNOとの料金差が縮まりつつあるMVNOがどう対抗するのかも、気になるポイントといえる。

 一方で、5Gのエリアも、まだ十分とはいえない。2020年末から、KDDIが4Gの周波数転用を開始するなど、エリア拡大の兆しは見えるものの、ユーザーが本格的に活用できるようになるには、まだ時間がかかる。2021年には“真の5G”とも呼ばれるSA(スタンドアロン)方式の5Gが開始されるなど、今後も進化は続いていく。エリアの広がりとともに、端末のバリエーションも今以上に広げる必要がある。2021年は、2020年に積み残された課題を解決する年になるかもしれない。新年最初の連載では、そんな1年を展望していきたい。

4月ごろまで続く料金値下げ合戦、KDDIの対抗策にも注目

 2020年は政府主導の料金値下げが大きな話題を呼んだ1年だったが、各社のサービスがスタートするのは2月ごろから。少なくとも4月ごろまでは、料金値下げや新料金プランの話題が尽きることはなさそうだ。時系列に見ていくと、現時点では、まずソフトバンクのY!mobileが2月に4G、5Gに両対応した新料金プランを開始することが判明している他、3月にはソフトバンクブランドにデータ容量無制限の「メリハリ無制限」を導入する。これに対し、ドコモは4月に「5Gギガホ」や「ギガホ」を改定し、「5Gギガホ プレミア」「ギガホ プレミア」を開始する。

Y!mobile 2月には、Y!mobileが料金を改定。UQ mobileも20GBプランを導入する予定だが、料金が変更される可能性も

 3月には、ドコモとソフトバンクの2社が、オンラインに特化した新料金プラン、新ブランドをスタートさせる。ドコモのahamo、ソフトバンクのSoftBank on LINEは、いずれも料金は2980円(税別、以下同)で、データ容量は20GB。音声通話が5分間無料になる点も同じだ。どちらも原則として店舗では受け付けず、サポートもサイトやアプリを通して行う。ドコモはahamo用の専用アプリ、ソフトバンクはLINEという違いはあるが、店舗維持やサポートにかかるコストを圧縮して、低価格な中容量プランを提供するところが共通点といえる。

SoftBank on LINE
SoftBank on LINE 3月には、ドコモのahamoとソフトバンクのSoftBank on LINEがスタートする。いずれもオンライン専用となり、料金は2980円

 一方で、大手3社の中では、KDDIがahamo対抗策やデータ無制限プランの値下げなどを発表していない。現時点では、UQ mobileが20GBプランの「スマホプランV」を2月に導入する予定だが、料金は3980円で音声通話定額はオプションの扱いになっているため、別途料金がかかる。ahamoやSoftBank on LINEの水準には達していない上に、2月に導入されるY!mobileの「シンプルL」の3780円よりも割高になっている。KDDIもオンライン専用ブランドを導入することになりそうだが、UQ mobile側の料金プランも再整理する必要がありそうだ。

 もともとKDDIは、オンラインに特化したMVNOを2021年春ごろに立ち上げる予定だった。シンガポールに拠点を構えるCircles.Lifeとの協業で、KDDI Digital Lifeを設立。eSIMを武器に、デジタルネイティブ世代と相性のいい新ブランドを展開する。ただ、ahamoやSoftBank on LINEは、どちらもMNOとしてドコモやソフトバンクが直接運営する体制を取る。MNOとして展開した方が、相互接続による帯域不足などを心配する必要がなく、混雑時のスループットが安定するからだ。KDDIだけがMVNOになると、少々分が悪くなってしまうため、この方針を変更する可能性もある。いずれにせよ3月以降、MNO間のオンラインでの競争は激化しそうだ。

KDDI もともとKDDIも、オンライン専用の新ブランドをMVNOとして立ち上げる予定だった。ahamoやSoftBank on LINEを受け、この新会社をどう活用するのかに注目しておきたい

 ただ、小容量プランは3社とも手つかずのままだ。ドコモはahamo発表時に、小容量プランをMVNOとの協業含めて拡充していくとしていたが、現状の「ギガライト」とは別の枠組みで値下げに打って出る可能性もある。鍵になりそうなのが、NTTコミュニケーションズやNTTコムウェアとドコモの統合だ。NTTは、統合の「STEP1」として、2021年夏ごろに2社をドコモの子会社化する検討を進めている。MVNOのOCN モバイル ONEは、NTTレゾナントが中心になって運営しつつ、NTTコミュニケーションズがMVNEとしてその支援を行う形を検討しているようだ。

NTTコミュニケーションズ 小容量プランは、MVNOとの連携で打ち出していくことが語られている。NTTコミュニケーションズの子会社化が、その鍵を握る
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