コンパクト頂上決戦「iPhone 12 mini」と「Xperia 5 II」を徹底比較する(1/3 ページ)

» 2021年01月11日 10時00分 公開
[島徹ITmedia]

 片手で使いやすい5G対応のコンパクトハイエンドスマホとして、小型・軽量を追求したAppleの「iPhone 12 mini」と、大画面での使いやすさを両立させたソニーモバイルの「Xperia 5 II」が発売された。理想的なコンパクトモデルを待っていた人にとっては、絶好の買い替えタイミングといえる。

iPhone 12 mini Xperia 5 II 左からソニーモバイル製「Xperia 5 II」と、Apple製「iPhone 12 mini」
iPhone 12 mini Xperia 5 II トリプルカメラとデュアルカメラを搭載。両モデルとも防水・防塵(じん)とFeliCaに対応する

 iPhone 12 miniはドコモ、au、ソフトバンクと、アップルストアでSIMロックフリーモデルなどを購入できる。価格は一括8万2280万円から(64GBモデル、アップルストア、税込み)だ。Xperia 5 IIはドコモ、au、ソフトバンクで販売されており、キャリアによるが一括9万9000円から(ドコモオンラインショップ、税込み)の価格で購入できる。

iPhone 12 mini Xperia 5 II 両モデルとも5Gに対応。対応エリアではより高速な通信を利用できる

 では、ハイエンドコンパクトモデルのiPhone 12 miniとXperia 5 IIの魅力と違いについて、より詳しく紹介していこう。

片手持ち操作はiPhone 12 mini、画面サイズと生体認証はXperia 5 IIが便利

 持ちやすさはiPhone 12 miniが飛びぬけて良好だ。5.4型の有機ELディスプレイ(1080×2340ピクセル)を搭載しながらも、横幅64.2mmで133gを実現。ハイエンド5Gスマホでは最小・最軽量クラスといえる。片手で握りやすく、親指も画面の端まで届きやすい。従来の4.7型iPhone (第2世代iPhone SEやiPhone 8など)の横幅67.3mm、148gよりも小型軽量で高性能になっている。

iPhone 12 mini Xperia 5 II iPhone 12 miniは横幅64.2mmと、手のひらに収まるサイズ。片手で楽に操作できる

 Xperia 5 IIは、縦長の大画面6.1型フルHD+有機ELディスプレイ(1080×2520ピクセル)を搭載しつつも、横幅68mm、重量163gと片手持ち可能なスリムボディーを実現。iPhone 12 miniと比べてしまうと横幅はやや広く感じてしまうが、手の小さい人でなければ片手持ちでの親指入力も楽に行える。

iPhone 12 mini Xperia 5 II Xperia 5 IIは横幅68mmと、近年の大画面モデルとしてはスリムで片手持ちでの操作も可能だ。Xperia XZあたりのモデルからの買い替えても違和感がない

 両モデルの画面サイズを比べると、6.1型のXperia 5 IIの方が、5.4型のiPhone 12 miniよりかなり大きい。縦長なので、特にブラウザやメール、SNS、LINEなどの一覧性が高い。ビジネス用途で考えてもXperia 5 IIの方が便利だ。また、画面サイズが大きい分、文字表示のサイズ設定を大きくしても使いやすい。

iPhone 12 mini Xperia 5 II 両モデルでスマホ版ITmedia Mobileを表示。Xperia 5 IIの方がiPhone 12 miniよりも多くの情報を表示できる

 生体認証はiPhone 12 miniが顔認証、Xperia 5 IIが指紋認証(側面)を採用している。新型コロナの影響下では、マスク装着時でも自宅で外した状態でも、指で触れるだけでロック解除できるXperia 5 IIが便利だ。iPhone 12 miniは顔認証後に上スワイプ操作をしないとホーム画面を表示できない他、マスク装着時はパスコードの入力が必要。Xperia 5 IIと比べると操作の快適さは一歩劣る。

iPhone 12 mini Xperia 5 II Xperia 5 IIは親指で電源キーに触れると同時に指紋認証を解除できる。人差し指も登録しておくと、机に置いたままのロック解除が楽だ
iPhone 12 mini Xperia 5 II iPhone 12 miniは顔認証のみ。外出時など、マスクを装着したままでのロック解除にはパスコード入力が必要だ

映像や音楽再生は両モデルとも高品質だが、Xperia 5 IIがややリード

 画面の発色だが、普段使いの見やすさはiPhone 12 miniの方が優秀だ。「True Tone」機能で画面の色を周辺の照明の色温度に合わせるので、目に優しく元データの色も比較的自然に見える。Xperia 5 IIの標準設定は色温度が高めで青っぽく、コントラストもきつめだ。だが、元データの表示に忠実な「クリエイターモード」を有効にすると、色のきつさや不自然さは解消される。筆者としては常時クリエイターモードでの利用をお勧めしたい。

 その上で、映画やアプリを全画面でより快適に楽しめるのは、前述のクリエイターモードを設定した場合のXperia 5 IIだ。Xperia 5 IIはノッチのない6.1型の大画面ディスプレイを搭載しており、一般的な16:9の動画はもちろん、横長ビスタサイズの映画も大画面で楽しめる。画面が広いぶん、PinP(ピクチャーインピクチャー)再生や、Androidのアプリ2画面表示による“ながら視聴”も快適だ。

iPhone 12 mini Xperia 5 II Xperia 5 IIは6.1型の大画面でノッチもない。iPhone 12 miniと比べて、一般的な16:9の動画も横長のビスタサイズの映画もより大きく表示できる

 音周りも、両機種ともステレオスピーカーだが、Xperia 5 IIは左右とも前面にあり、大きめの音量で音質も良好。Dolby Atmosを有効にするとサラウンド効果も楽しめる。また、有線のイヤフォン端子搭載に加えて、Bluetoothオーディオはハイレゾ品質の高音質コーデックLDACやaptX HDに対応。音にこだわる人に対して、懐の広い製品となっている。

iPhone 12 mini Xperia 5 II Xperia 5 IIはイヤフォン端子を搭載。高音質なイヤフォンを生かせる他、低遅延が求められるアクションやリズムゲームも楽しみやすい

 iPhone 12 miniのステレオスピーカーの音も大きく音質もXperia 5 IIとそこまでは差がなく良好だ。サラウンド感もある。ただ、ステレオスピーカーの片方は底面なので横持ちだと指でふさぐことがある。また、有線イヤフォンを利用するには別売りのアダプターが必要だ。Bluetooth接続のワイヤレスイヤフォンAirPodsシリーズを使いやすいが、対応コーデックが少なく、音質をマニアックに追求する層にはやや物足りなさがある。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年