コンパクト頂上決戦「iPhone 12 mini」と「Xperia 5 II」を徹底比較する(3/3 ページ)

» 2021年01月11日 10時00分 公開
[島徹,ITmedia]
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画作りの方向性が違うカメラ機能

 カメラはiPhone 12 miniが1220万画素の広角(26mm相当、F値1.6 光学手振れ補正)と超広角(14mm相当、F値2.4)のデュアルカメラを搭載。インカメラは1200万画素だ。

 Xperia 5 IIは広角(24mm相当、F値1.7、光学手振れ補正)と超広角(16mm相当、F値2.2)、望遠(70mm相当、F値2.4 光学手振れ補正)のトリプルカメラを搭載しており、全て1220万画素。インカメラは800万画素だ。

iPhone 12 mini Xperia 5 II Xperia 5 IIは広角、超広角、望遠のトリプルカメラ。iPhone 12 miniは広角と超広角のデュアルカメラを搭載

 撮影品質だが、iPhone 12 miniの方がHDR処理や撮影シーンの補正を駆使して、やや明るく鮮やかな一般的に受けのいい写真を撮れる傾向にある。Xperia 5 IIは元のシーンをそこまで補正しない分、やや地味な印象になることが多い。これは両モデルの画作りの方向性の違いだが、その場の見たままを撮ることよりも、SNSで映える写真を撮りたいという要望に対してはiPhone 12 miniの方が応えてくれる。

 下記の作例はやや明暗差の激しいシーンで撮影したが、iPhone 12 miniはDeep FusionやスマートHDR3の効果もあってか、明るい青空や紅葉する木々を鮮やかに、やや暗い滝は周りも含めてバランスのよい露出で撮れている。一方で、実際の見た目と比べると左上の建物などはもう少し色あせているのだが、極端に鮮やかな表現となっている。

iPhone 12 mini Xperia 5 II iPhone 12 mini 広角
iPhone 12 mini Xperia 5 II iPhone 12 mini 超広角

 Xperia 5 IIはある程度補正はしているのだろうが、上の明るい建物や木々と、下の暗い滝や岩肌の露出を強引に補正はしていない。その分、滝などはこちらの方が自然な印象だ。建物の発色もこちらの方が実際に近い。望遠は35mmフィルム換算70mm相当と、やや遠くの被写体を引き寄せて撮れる。目の前にある被写体に近づけない場合や、動物を撮る用途などにも向いている。

iPhone 12 mini Xperia 5 II Xperia 5 II 広角
iPhone 12 mini Xperia 5 II Xperia 5 II 超広角
iPhone 12 mini Xperia 5 II Xperia 5 II 望遠

 夜景はiPhone 12 miniはナイトモード対応。暗いシーンでは手持ちロングシャッターと補正による撮影となり、かなりシャープな絵作りの夜景を撮れる。欠点として、前の11シリーズと同様にレンズ部の反射によるものかゴーストが盛大に出やすい。作例でも夜空にかなりの光点が映ってしまっている。

iPhone 12 mini Xperia 5 II iPhone 12 miniの夜景(ナイトモード有効)

 Xperia 5 IIはナイトモード対応をうたっていないが、夜景撮影時は自動的にシャッター速度がやや長めになり明るく撮れる。iPhone 12 miniほど明らかな補正はなく、人によってはこちらが自然に感じられるだろう。なお夜空の光点のうち、左は飛行機の明かりだ。また両モデルとも広角が一番明るく高画質だが、どのカメラでも夜景を明るく撮れる。

iPhone 12 mini Xperia 5 II Xperia 5 IIの夜景

 カメラの操作性だが、iPhone 12 miniは左右スワイプでモード変更、上部の矢印をタップすると画面下部に撮影設定変更のアイコンが表示され、設定を固定できる露出補正などカメラ好きにとっても使いやすい機能が用意されている。

 Xperia 5 IIは小さい設定アイコンが画面上部に並ぶレイアウトだ。側面に半押し対応のシャッターキーを搭載していることもあり、横持ちでの撮影以外を考慮していないのかもしれない。撮影モードの選択メニューは、モード変更の他、現在操作していないカメラの撮影モードや、異なる機能のアプリを呼び出せる。ソニーのカメラらしい、人の慣れと記憶を前提とした複雑な操作性だ。

iPhone 12 mini Xperia 5 IIiPhone 12 mini Xperia 5 II iPhone 12 miniは上の矢印をタップすると、画面下部に撮影設定が並ぶ。撮影設定を凝りたいときに呼び出し、その後は片手操作で楽に設定を変えられる(写真=左)、Xperia 5 IIは縦長大画面ディスプレイの画面上部に、小さいアイコンを並べるレイアウトを採用(写真=右)

 Xperia 5 IIには標準のカメラアプリと別に、RAW撮影も可能なソニーの一眼デジタル「α」シリーズ風の操作性の「Photography Pro」アプリを搭載する。一眼デジタルに慣れているなら、シャッター速度や感度を変更して見たままに近いシーンを撮影しやすい。HDRの効き方も設定できる。好みによってはこちらを標準のカメラアプリにしてもいいだろう。

iPhone 12 mini Xperia 5 II Xperia 5 IIの「Photography Pro」。一眼デジタルのマニュアル撮影に慣れており、好みの絵作りをしたいなら便利な機能だ

 動画撮影はiPhone 12 miniが4K/60fps、HDR動画は4K/30fpsまで対応する。スローモーションはHD/240fpsまでの対応となる。Xperia 5 IIは4K/60fps対応で、HDR動画やスローモーションは「Cinematography Pro」アプリを使うと4K/120fpsまで撮れる。

iPhone 12 mini Xperia 5 II Xperia 5 IIの「Cinematography Pro」。日常風景を映画のワンシーンのように撮影できる機能とのことだが、実際には本格的な撮影知識と機材がないと使いこなすのは難しい

 ただ、Cinematography Proはソニーの業務用シネマカメラ風の操作性を採用しており、知識がないとまず使いこなせない。別途NDフィルターや照明設備も必要だ。対象層は映画撮影の入門者あたりと、かなりハードルの高い機能となっている。

小型軽量のiPhone 12 miniと大画面のXperia 5 II、どちらを選ぶ?

 ここまで両モデルを紹介してきたが、多くの人はどちらのモデルを購入しても基本満足できるだろう。ディスプレイや音周り、カメラ、処理性能ともに優秀だ。iPhoneユーザーならiPhone 12 mini、AndroidユーザーならXperia 5 IIを無条件に購入して問題ない。

 その上で、小型軽量を最優先するならiPhone 12 mini、大画面やバッテリー持ち、指紋認証が重要ならXperia 5 IIというすみ分けになる。2機種を触った筆者の印象を加えるなら、iPhone 12 miniの方が表面的な機能はシンプルで初心者に対する間口が広い。Xperia 5 IIの方がマニアックな機能や設定が多く、ガジェット好きには操作やさまざまな機能を試して楽しいモデルだ。

 両モデルとも優秀なので、iPhoneとAndroidのOSを超えた機種変更を考えてもいいだろう。ただ、もしiPhoneからXperia 5 IIへOSごとの乗り換えを考える場合は、Xperia 5 IIに近い重さと、画面比率は違うが同等の画面サイズのiPhone 12も買い替え候補として比較することをお勧めする。

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