ホーム画面やアプリの操作性だが、Googleのサービスを日常的に利用し、Windows 10との連携も重要視しているならXperia 5 IIが便利だ。Googleのサービスをほぼフルに使えるのはもちろん、利用できるファイルやアプリ連携の制限も少ない。また、アプリを2画面表示できるマルチウィンドウもAndroidの特権だ。
一方で、iPhone 12 miniもiOS 14により使い勝手がAndroidに近づいてきた。ホーム画面にはよく使うアプリだけを並べ、他のアプリはホーム画面最後のAppライブラリから選択・検索するAndroid風の管理に対応。Androidと同じくホーム画面へ配置できる新しいウィジェットも追加された。また、ブラウザとメーラーの標準アプリの変更に対応し、ChromeやGmailを標準アプリとして使えるようになった。ただし、その他マップなどの標準アプリは変更できないなど、カスタムできる範囲は限られている。
ゲームプレイの支援機能は、Xperia 5 IIの「ゲームエンハンサー」がかなり充実している。PC向けの一部ゲーミングディスプレイと同様の120fps表示と黒挿入を組み合わせた240Hz駆動に対応。一部の高フレームレート対応ゲームを滑らかに表示できるだけでなく、見えない速度で黒フレームを挿入して視覚の残像感を軽減してくれる。240Hzの高速タッチ検出にも対応。サバイバル系TPSやFPSの視点変更や、リズムゲームの譜面のスクロールも見やすくタップ操作への反応も速い。
この他、ゲーム中の通知オフや画面の明るさ固定、充電器の電力をアプリ動作だけに回して発熱を抑えるHSパワーコントロール、マイク音声を加工できる録画機能など、ゲーマー向けの機能を数多く搭載。音の遅延のない有線イヤフォンにも標準で対応する。
処理性能は今回試用したモデルの都合で各種比較をできなかったが、CPU性能を計測するGeekBench 5では最新のチップのiPhone 12 mini(A14 Bionic、メモリ4GB)が、プロセッサの投入時期としては少し前のXperia 5 II(Snapdragon 865、メモリ8GB)を上回った。とはいえ、両方ともスマホとしてはトップクラスの処理性能で、大半のアプリを高速に動かせる。OSの違いもあるので一概には言えないが、両モデルとも遅さで不満を感じることは少ないだろう。
バッテリーはXperia 5 IIの方が長く持つ。実際に8時間外出して頻繁にSNSアプリ利用やカメラ撮影をしたが、iPhone 12 miniは残り23%程度、Xperia 5 IIは残り42%ほどだった。本体サイズやバッテリー容量の差が大きく影響したのだろう。
充電周りは、Xperia 5 IIはUSB Power Delivery(USB PD)の18W急速充電に対応。iPhone 12 miniは付属のUSB-C−Lightningケーブルを使ったUSB PDの20W急速充電が可能な他、MagSafe充電器を使った最大12Wのワイヤレス充電にも対応する。
余談だが、PlayStation 5とPlayStation 4のリモートプレイはXperia 5 IIとiPhone 12 miniのどちらでも楽しめる(2019年からiPhoneにも対応した)。「PS Remote」アプリとWi-Fi環境があれば利用でき、どちらの製品でもPS4用のゲームパッドDual Shock 4をBluetoothコントローラーとして利用可能だ。Dual Shock 4用のスマホホルダーも発売されており、気軽にRPGやシミュレーションゲームなどを進めたいとき便利に使えるだろう。将来的には5G接続でのリモートプレイの開放も期待したい。
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