今日から始めるモバイル決済

2020年に過去最高の発行額 コロナ禍でもQUOカード/QUOカードPayが好調の理由とは?モバイル決済の裏側を聞く(2/3 ページ)

» 2021年01月22日 14時00分 公開
[房野麻子ITmedia]

加盟店網が大幅に拡大

 加盟店はこの1年で大幅に増加した。家電量販店のエディオンやユニクロ、スギ薬局やサンドラッグなどの大手ドラッグストア、吉野家、ワタミグループなども加盟店になっている。

 QUOカードの歴史的に、加盟店に書店が多いことが特徴だ。スタンドアロンで動くQUOカードの決済端末をQUOカードPayにも対応させて、対応書店を広げた。

 1月18日からはミニストップにも導入され、他の大手企業とも鋭意交渉中だ。

QUOカードPay
QUOカードPay QUOカードPayの加盟店(2020年12月時点)

 キャッシュレス決済事業者は個人店の加盟店開拓にも積極的だが、QUOカードPayの場合は個人店には広げていない。QUOカードPayをもらった人が、使える場所としてイメージしやすい加盟店の開拓に、まずは注力している。

 「QUOカード/QUOカードPayはギフトでもらって使うもの。個人店まで広げたとしても、使えることをユーザーがなかなか認識できず、加盟店に送客できません。現在は大手を中心に展開をしています」(大谷氏)

 加盟店への送客を促進するため、特定の加盟店でしか使えないQUOカードPayも用意している。例えば、ユニクロがオンラインストア20周年記念で行ったキャンペーンで配布したQUOカードPayは、ユニクロでしか使えない専用のQUOカードPayだった。

QUOカードPay ユニクロのキャンペーンでは、ユニクロ店舗だけで使えるQUOカードPayが配布された

さまざまなキャンペーンで採用

 企業のキャンペーンでの採用も活発だ。例えば、Twitterを使って、企業のアカウントをフォロー&投稿のリツイートによって、抽選でQUOカードPayが当たるというキャンペーンが、数え切れないほどの企業で行われているという。

 QUOカードPayだと、ダイレクトメッセージで当選者にURLを送れる。個人情報をやりとりすることなく、フォローしていれば完結するのが便利だ。QUOカードPayを使う場合もURLが分かればいいので、個人情報が必要ない。

 コラボキャンペーンも増えている。ユニクロ以外では、2020年5月にエースコックが、QUOカードPayのキャラクター、コアラの「クオとペイ」を起用して、最大5000円分のオリジナルQUOカードPayが当たるキャンペーンを行った。また、2019年には、大阪府が提供する健康マイレージ「アスマイル」アプリを登録すると、QUOカードPayが300円分もらえる「アスマイルで300円分もらえるねん」キャンペーンが行われる、大阪限定でTVCMも放映された。

 最近では、埼玉県の「コバトン健康マイレージ」アプリともコラボ。ここでも互いのキャラクターを活用した。

QUOカードPay キャンペーンを告知する埼玉県のWebサイト

 「大阪府や埼玉県のケースはアプリ登録を促すキャンペーンなので、デジタルで渡せるQUOカードPayは相性がいいようです」(大谷氏)。少額でもコンビニなどで使え、現金と合わせて使えるので金券より使い勝手がいいことも採用を後押ししているようだ。

 クオとペイは、コラボキャンペーンでも活躍しており、券面デザインにも採用してバリエーションを増やしている。ECサイトでは、クオとペイをあしらったデザインを月替わりで提供している。人と合体して背が伸びたユニクロのコラボCMは全国で放映され、大きな反響があったという。

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