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» 2021年02月08日 11時30分 公開

楽天モバイルの5Gはどれだけ速い? Rakuten BIGで検証 本命は「SA」開始以降か(3/3 ページ)

[島徹,ITmedia]
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今後の楽天の5G戦略をチェック、本命はSAか

 では2021年の楽天モバイルの5Gは、どういった進化を遂げていくのだろうか。これまでの発表内容を改めてまとめておこう。

 今後の5Gサービスの展開だが、2021年3月に全都道府県へ展開、2021年第2四半期(4〜6月)ごろにSA(スタンドアロン)を開始する予定だ。なお、Sub-6とミリ波の5G基盤展開率は総務省への認定申請では2024年度末までに56.1%となっている。

楽天モバイル 2020年9月の5Gサービス開始時の発表内容。5G展開が本格するのは、早くとも3月からになりそうだ

 現在の5Gは他社と同じNSA(ノンスタンドアロン)で、4Gネットワークの制御により5Gエリア内では5Gの高速通信も利用できる構成だ。これがSAになると、5Gネットワーク単独の制御で高信頼低遅延の通信なども利用できる。いわゆる“真の5G”とも呼ばれるサービスだ。とはいえ、SAを開始しても5Gサービスのエリアが狭くてはあまり意味がない。

 ここでカギとなるのが、現在エリア拡大を続けている4Gの1.7GHz帯だ。こちらはエリア拡大を当初計画から5年前倒しで「2021年夏ごろに人口カバー率96%」を達成する予定だ。これにより、郊外はともかく人口集中エリアの屋外はおおむねカバーできるとみられる。

楽天モバイル 4G向け1.7GHz帯のエリア整備を前倒し、2021年夏ごろまでに人口カバー率96%まで広げる

 この前倒しの狙いだが、もちろん新規参入の場合は短期間でエリアを拡大した方が、ユーザーの満足度向上や加入者獲得の機会が大幅に増えて有利になる。また、1.7GHz帯の割り当て申請時に総務省へ提示した人口カバー率96%を早期に達成することで、今後4G向け1.7GHz帯を5Gへ転用する認定や、今後の周波数獲得の要望を裏付ける実績ともなるだろう。

楽天モバイル 楽天モバイルは総務省の「デジタル変革時代の電波政策懇談会(第2回)」にて、プラチナバンドの割り当てや再分配を要求。新規参入だけに仕方ない面もあるが、現時点では全国カバーに向いた周波数を1.7GHz帯しか持たない

 ここから先は、今後の楽天モバイルの発表を待つこととなる。ただ、楽天モバイルは以前より“5G Ready”のネットワーク構築を強みとしているうえに、5Gのミリ波、Sub-6に加えて、1.7GHz帯も含めた全国5Gネットワークを構築することは競争上でも必須だ。廉価な5Gスマホやルーターなどが出そろうタイミングで攻勢に出たいところだろう。

 ただでさえ、武田良太総務大臣による“メインブランドによる値下げ”に事実上のお墨付きを与える介入により、大手3社との料金面での廉売競争がし烈になっている。競争上、他社が2021年後半の5G SA開始に向けて本格化させている5Gの全国展開でも、大幅な差をつけられるわけにはいかない。

楽天モバイル 2020年末、武田総務大臣による“メインブランドによる値下げ”の要求により、各社が2980円前後の料金プランを投入。2980円前後の市場がレッドオーシャン化している

 現時点の楽天モバイルは新規参入ということもあり、長年の経験と資産を持つ大手3社と比べ、取れる手段はあまり多くない。2021年1月のソフトバンク元社員の逮捕といった事件も少なからずマイナスに働く部分はあるだろう。とはいえ、本来であれば携帯電話事業の競争を促進する事業者として期待され、MVNO事業からMNOでの新規参入を果たした企業だ。まずは、大手3社と対峙できる5Gネットワークの構築を期待したい。

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