世界を変える5G

ドコモの丸山氏、5G時代におけるドコモの事業とその先の6Gについて語る(2/3 ページ)

» 2021年02月10日 11時30分 公開
[房野麻子ITmedia]

5Gを使ったパートナーとのビジネス創出

 通信事業については、2020年3月から5Gサービスを開始。5G契約者数は2020年末に138万。2020年度末には目標の250万を超える勢いだという。2021年3月26日にはオンライン専用プランの「ahamo」を開始し、丸山氏は「ますます5Gユーザーが増える」と期待する。

 5Gエリアは2020年度末に全国の主要500都市に展開予定で、「ここ1年のうちに全国津々浦々に基地局を設置していく」という。

docomo Open House 2021 5G契約者は2020年度末に目標の250万を突破する勢い
docomo Open House 2021 5Gエリアは2020年度末に全政令指定都市を含む500都市に拡大

 ドコモの5Gは、5G向けに割り当てられた3.7GHz、4.5GHz、28GHzという周波数帯を使った、5Gらしい高速大容量の「瞬速5G」が特徴だ。

 また、さまざな分野で5Gを活用したサービスを考案しており、「一種の社会基盤という位置付け」になっている。3600超の企業、団体が参加する「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」で、5Gを使った業務改善に取り組んでいる。

docomo Open House 2021 5Gを活用してビジネス創出に取り組む「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」

 ミリ波を使ったサービスも始まり、通信速度は下り最大4.1Gbpsに達した。

 5Gは低遅延を特徴とすることから、基地局に近い場所にエッジサーバを設置。それが「ドコモオープンイノベーションクラウド」だ。東京、神奈川、大阪、九州の4カ所にサーバを設置して、クラウドサービスを提供している。

docomo Open House 2021 低遅延を実現する「ドコモオープンイノベーションクラウド」。「間に入る光回線はNTTグループの回線。日本は光回線の品質が非常に高い。日本の国土がそれほど大きくないので、今のところこの4カ所でやっている」(丸山氏)
docomo Open House 2021 ドコモオープンイノベーションクラウドを活用している事例として、ワコムとのソリューション「Virtual Design Atelier」と、サン電子との「AceReal(エースリアル)」事業を紹介

通信技術に関する取り組み

 通信を活用したビジネス創出だけでなく、ドコモは通信技術そのものの開発にも積極的に取り組んでいることを丸山氏はアピールした。その1つの例が、5G必須特許の保有シェアだ。ドコモのシェアは9.5%で6位に位置している。「5Gに埋め込まれている技術の10%くらいは、ドコモの人間が考えたもの」だ。「世界の標準化に寄与し、世界各国のオペレーターが導入している5Gの仕組みを通じて世界に貢献している」と胸を張った。

docomo Open House 2021 5Gの必須特許のシェア。これほどの必須特許を持っている通信事業社は他にない

 また、さまざまなベンダーの装置を組み合わせて使えるようにする無線装置のオープン化も推進。「複数のベンダーの装置を組み合わせられる拡張性の高い形で構築していたが、社内だけでやっているのはもったいないということで」自社の技術を開示し、O-RANという形で賛同者を集めたのが「O-RAN Alliance」だ。

 「ドコモのノウハウを使って、無線ネットワークをより拡張性高く、オープンな形にしていきたい」(丸山氏)

 先日2月3日には、5GオープンRANエコシステムの海外展開も発表している。

docomo Open House 2021 無線装置のオープン化を進め、標準仕様を策定するO-RAN Alliance

 端末については、5Gの高速大容量でないと送れない8Kや3D画像を見られるVRやXR用のグラス、プロジェクターなどを検討している。ただ、さまざまなデバイスを組み合わせて使うことはユーザーに負担になるので、より快適な利用をサポートするために「マイネットワーク構想」を進めている。

 「いろいろなデバイスに5Gの通信が内蔵されてくると信じている」という丸山氏。その際には認証手段としてSIMが内蔵され、それも現在のようなスロット型ではなく「当然eSIMだろうと思っている」と語った。

docomo Open House 2021 あらゆるデバイスに5Gが内蔵される

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