世界を変える5G
インタビュー
» 2021年04月07日 06時00分 公開

SIMフリーでも「みんなに5G」を シャープに聞く「AQUOS sense5G」開発の舞台裏SIMロックフリースマホメーカーに聞く(4/4 ページ)

[石野純也,ITmedia]
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Snapdragon 690 5Gはベストセレクトだった

―― 今回は、Snapdragon 690 5Gの採用も早く、Qualcommのイベントでは小林さんのコメントも出ていました。交渉力がついてきたという側面はあるのでしょうか。

小林氏 (コメントは)Qualcommとのパートナーシップの関係で、早めに出しました。他社より先に採用したことと直接的には関係していませんが、日々、Qualcommと対話をする中で、エンドースメントでより5Gが普及するならと思い、コメントさせていただきました。

 今は、価格に対するお客さまの期待も上がっています。3万円から4万円の間のゾーンは、期待される性能も以前より高くなっています。そういったことを考えたとき、Snapdragon 690 5Gはベストセレクトだったと思っています。2021年になってきてからさらに安いモデルが出てきているため、言いづらい部分はありますが、最も安心して選んでいただけると思っています。

―― さらに安いモデルというと、Xiaomiから、2万円の端末(Redmi Note 9T)が登場しました。受け止めを教えてください。

小林氏 (税別で)2万円を切って出てきたのは、正直衝撃を受けました。ただ、細部を見ていくと防水がなかったり、日本で売るにはサイズがちょっと大きすぎたり、OSバージョンアップを継続的に提供するかどうかが不明だったりします。脅威には感じていますが、立ち位置はちょっと違う。ただ、注視していく必要はあると感じています。

―― ちなみに、AQUOS sense4にはSnapdragon 720Gが搭載されていて、型番だけ見ると、性能が上のようにも思えてしまいます。違いはそんなにないんですよね。

清水氏 CPUはSnapdragon 690 5Gの方が上ですが、GPUはSnapdragon 720Gの方が上になります。

小林氏 その合計だと、ほとんど差がありません。ベンチマークテストをしても、CPU重視のものだとSnapdragon 690 5Gが上に出ますし、GPU重視のものだとSnapdragon 720Gが上になるというレベルの差です。

AQUOS sense4とsense5Gを合わせて、AQUOS sense3を超えていきたい

―― 販売台数の目標があれば教えてください。

小林氏 AQUOS sense3は300万台を超えましたが、AQUOS sense4とsense5Gを合わせて、AQUOS sense3を超えていきたいと考えています。

 ちなみに、質問とはまったく関係ないですが、AQUOS sense5Gから、Googleのクイックスイッチアダプターが入っているので、これはぜひ試してみてください。USBケーブルで接続すると、iPhoneであっても、Androidであっても、多彩なデータがコピーできます。Pixel用のものを先行搭載した形ですが、これがビックリするぐらい再現率が高いんです。iPhoneからでも壁紙が移りますし、メモ帳のテキストがGoogle Keepに入ったりするだけでなく、さらに驚きなのが、同じアプリのAndroid版まで見つけてきて、自動でダウンロードするようになっています。

AQUOS sense5G 付属のアダプターを使って旧機種とAQUOS sense5Gを接続すると、iPhoneからもデータやアプリを移行できる

―― 同じアプリまで探してくるというのは、すごいですね……。最後に、SIMフリーについてですが、ハイエンドモデルはどうしていくのかを教えてください。

小林氏 AQUOS zero2はSIMフリーでやらせていただきましたが、ハイエンドは機種ごとに判断したいと考えています。AQUOS zero2はわれわれにとって、チャレンジでした。SIMフリーでこれぐらいの価格帯のものを出すと、どういうお客さまにどれだけ買っていただけるのかということを勉強させていただきました。ある程度分かってきたので、ハイエンド端末は機種ごとに判断していきます。

取材を終えて:ハイエンドモデルの強化にも期待

 シャープがAQUOS sense5Gを投入した背景には、端末の買い方の変化があることが分かった。確かに、ドコモのahamoを除く各社のオンライン専用料金プランでは、端末のセット販売がなく、SIMロックフリースマートフォンとの組み合わせが増える可能性は高い。その際に、大手キャリアの取り扱い実績が多く、ネットワークとの相性もよさそうなAQUOS senseシリーズは安心感が高い端末といえる。今後の需要拡大を見据えたとき、先行して端末を販売しておくのは認知度を高める上でも重要だ。

 コストパフォーマンスはAQUOS sense5Gでさらに高くなっており、目標をクリアできる可能性は高い。特にカメラはこれまでの不満点を解消しており、画質面も向上している。ミドルレンジモデルだからといって手抜きがないのは、うれしいポイントだ。一方でシャープ全体のラインアップを見ると、ハイエンドモデルのインパクトが相対的に薄くなっている印象を受ける。ブランドのイメージを作るのがハイエンドモデルであることを考えると、この分野の強化も必要になりそうだ。

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