―― AQUOS sense5Gに関しては、本体のサイズがAQUOS sense4と変わりません。ここに5Gを入れ込むのは、なかなか大変だったのではないでしょうか。大変じゃなかったとすると、逆にAQUOS sense4に余裕があるような気もしますが(笑)。
清水氏 流れとしてはまずAQUOS sense4を企画し、端末サイズやディスプレイサイズ、バッテリーサイズを決めていきました。その中で、5Gにも取り組もうということで、AQUOS sense5Gを企画しています。一緒に企画を立てるのであれば、ケースも一緒のものを使いたいですし、サイズやバッテリー容量も同じにすることを前提にしました。例えばバッテリー容量を諦めればもっと簡単でしたが、それをやると期待を裏切ってしまいます。その部分は、技術メンバーが、ものすごく頑張ってくれました。
小林氏 パッと見で同じなので、ケースサイズが異なると、お客さまがアクセサリーを選ぶ際にも混乱してしまいます。そのため、まずは同じケースを使えるようにしました。カメラの位置なども含めて、まったく同じにすることにはこだわっています。また、共通化はコストメリットもあります。
清水氏 キーのところはめちゃくちゃ苦労しました。ちょうどここに、Sub-6のアンテナがあるからです。一緒のように見えますが、実は中が違う。そのため、AQUOS sense5Gはキーが0.5mmだけ下にズレていたり、アシスタントキーが小さかったりします。アクセサリーメーカーにはその差分があることを説明し、違いを吸収できるよう、ケースを設計してもらいました。
小林氏 ケースを選ぶ際には、オフィシャルアクセサリーにしていただければと思います。その差分を吸収できているかどうかも、ちゃんと確認しています。
―― 先にキャリアモデルとしてAQUOS sense5Gが発売されましたが、手応えはいかがですか。
清水氏 AQUOS sense4とsense5Gを併売しているキャリアがあるので、両機を合わせて好調です。
小林氏 清水が申し上げたように、AQUOS sense4とsense5Gは、セットで好意的に見られていますが、AQUOS sense5Gだけのキャリアには、待望のsenseシリーズと受け止められています。AQUOS senseはかれこれ3年目、4年目になりますが、非常に認知度が高く、手前みそですが、圧倒的な安心感をご提供できていると感じています。
清水氏 ただ、購入いただいたお客さまの傾向は、今までと少し異なるようです。初期のAQUOS senseは、安心して買いたいと“間違いのないもの”を求める傾向がありましたが、AQUOS sense4以降は、賢く吟味して選ぶ方が増えています。知識があり、自分の使い方にはこれが一番いいという形で選ばれています。
―― それは、ユーザー側にミドルレンジモデルの知識がついてきたということでしょうか。
清水氏 もともとそういう方々に選ばれていたということはありますが、3年前にAQUOS senseを選んだ方が慣れ、知識がついてきたという側面はあると思います。
―― 今回は4Gモデルと5Gモデルという分かれ方をしましたが、次機種以降も併売は続いていくのでしょうか。
清水氏 そこは私たちだけで決められない部分がありますが、切り替えになっていくと思っています。
小林氏 ただ、SIMフリーは分からないというのが正直なところです。お客さまの需要によるからです。今から3年使うなら5Gという方、4Gを選ぶ方も一定数はいます。お客さまの需要があれば作り続けますが、そこは状況を見ながらの判断になります。シャープとしては、5Gだから特別というのではなく、4Gか5Gかはニーズに合わせてご提供できればいいと考えています。「5Gノーマル化宣言」を出しましたが、その通り5Gは普通になっていくので、売れるものがあれば作っていきます。
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