世界を変える5G

ドコモが固定代替サービス「home 5G」を始める狙い 他社サービスとの違いは?:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2021年05月22日 11時38分 公開
[石野純也,ITmedia]
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キャパシティーの確保や5Gのエリア拡大が課題に?

 ただ、いくらドコモでも、ネットワークのキャパシティーには不安も残る。home 5Gはスマートフォンに比べ、同時にネットワークに接続する機器が多い。データ容量が使い放題となると、なおさらだ。こうした事態はドコモも想定しており、「きめ細かに帯域制限をかけられるよう、ネットワーク側の仕組みも対応している」(井伊氏)という。詳細は明かされなかったが、「端末の周辺にいるお客さまにご迷惑が掛からないよう、サーバ側やネットワーク側で(帯域制御を)やっている」(滝澤氏)という。

 ただ、あまりに頻繁に帯域制限がかかってしまうと、使い勝手が損なわれる。根本的な解決策として、5Gエリアを広げ、キャパシティーそのものを広げていく取り組みが求められる。ドコモは他社と異なり、4Gから5Gへの周波数転用に頼らず、5G用の新周波数帯でエリアを拡大。2022年3月末には55%、2023年3月末には約70%まで人口カバー率を高める方針だ。一方で、現状の5Gエリアは都市部の繁華街など、人が多く集まる場所が中心。home 5Gの広がりとともに、住宅街のカバー率も上げていく必要が出てくるだろう。

home 5G 人口カバー率は徐々に上がっていくが、当初は4Gでの利用が中心になりそうだ

 仮に住宅街をエリア化できたとしても、部屋の中に設置したホームルーターに対して、どう電波を届けていくのかが課題になりそうだ。ドコモは、現状、n79(4.5GHz)とn78(3.7GHz帯)の2つを中心にエリアを広げているが、いずれも高い周波数帯で、屋内に浸透しづらいのが難点。家の周囲まで5Gの電波が来ていても、中には届きづらいというわけだ。海外では、FWA用に屋外設置型のアンテナを用意するケースがあるが、こうした工夫も必要になってくる可能性がある。

home 5G 2019年2月のMWCでHuaweiが披露した屋外設置型のホームルーター。浸透しないなら、外で電波をつかんでしまえばいいという発想だ

 とはいえ、先に挙げたように、サービススペックを見る限り、競争力は高い。気軽に契約できるFWAのサービスがないからという理由で、ドコモから流出するユーザーは確実に減るはずだ。セット割も効くため、ユーザーを家族丸ごと囲い込むこともできる。ホームルーター市場で先行する他社にとって、強力なライバルが誕生したといえそうだ。

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