日本未上陸のVivoはゲーミングにも対応したハイパフォーマンスな「iQOO」シリーズや、カメラを強化した「X」シリーズ、さらに世界最安値の5Gモデルを擁する「Y」シリーズなど、さまざまなモデルを出しています。
2020年から登場した「V」シリーズは特定の機能を強化したモデル。それはインカメラの高画質化で、4400万画素カメラを搭載してセルフィー機能を強化しています。セルフィースマートフォンといえば数年前まではOPPOもインカメラ強化をアピールしていました。しかし最近ではOPPOのRenoシリーズ上位モデルが4400万画素カメラを搭載しながらも、以前ほどセルフィー性能をアピールしていません。
Vivo Vシリーズは2020年に「V20」が登場し、低価格品など派生モデルも出しながら、2021年には新しい機能を搭載した「V21」へと進化しました。
V21は6.44型(1080×2400ピクセル)のディスプレイを搭載。高画質なインカメラは最近主流になりつつあるパンチホール型ではなく、ディスプレイ上部中央に水滴型のノッチとして埋め込まれています。プロセッサはMediaTekのDimensity 800Uを搭載するミドルレンジ端末で、香港では3498香港ドル(約5万円)で販売されています。
カメラは6400万画素+800万画素(超広角)+200万画素(マクロ)。メインカメラを高画質にすることで一般的な写真撮影でも不満が出ることはないでしょう。望遠はないものの、マクロカメラを搭載しているのでブツ撮りや食事撮影など、室内撮影にも向いています。
4400万画素カメラは室内で自撮りをしてみると、かなり明るく写ります。美顔モードはもちろん搭載。セルフィー好きな人なら不満が出ることはなさそうです。
とはいえ、室内は暗いときもありますよね。そこでV21にはフロントライトを備えているのですが、その数はなんと2つ。顔が暗く写るようならデュアルライトを点灯させて顔を照らすことができるのです。なおディスプレイ全体を白く光らせる疑似フラッシュライトも利用できますが、2つのLEDライトの方が自然な色で撮影できるように感じました。
LEDライトをよく見てみると、ディスプレイとベゼルのわずかな幅にライトを埋め込んでいることが分かります。よくぞこの幅を見つけたな、と思わずうなってしまいました。
Vシリーズはグローバルで展開しており、中国では「S」シリーズとして販売されています。ところが中国のSシリーズはVシリーズよりもさらに機能が強化されています。最新モデル「S9」は4400万画素に加え800万画素カメラも追加。つまり「デュアルインカメラ、デュアルフロントLEDライト」を搭載しているのです。
インカメラ画質を高めたスマートフォンの数が増え、「セルフィーカメラ専業」だったMeitu(美図、メイトゥ)が市場から撤退してからは、高セルフィー撮影機能はスマートフォンの差別化要素ではなく、どの製品にも搭載される基本的な機能になりました。とはいえ、スマートフォンに求める性能は人それぞれ。「価格を抑えながらも美しいセルフィーが撮りたい」というユーザーはまだまだいるわけです。Vivoはあえてそのユーザー向けの製品を展開し、スマートフォンユースの細分化に応えようとしているのです。
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