店舗を変えるモバイル決済

「決済手数料はトントンぐらいでいい」 PayPay馬場副社長が語る加盟店戦略(2/2 ページ)

» 2021年08月20日 16時03分 公開
[小山安博ITmedia]
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入金サイクルは「改悪」も、「総合的に判断してほしい」

 決済手数料の有料化に加えて、いくつかのサービス変更も行われている。入金サイクルは、これまでPayPay銀行あてなら毎日無料で入金されていたが、今後は月1回の入金サイクルとなる。

 翌日の仕入れに現金が必要な店舗にとっては毎日入金は効果があったが、加盟店によっては毎日入金だと数百円、数千円という程度で、まとめて大きな額が入金された方が事務作業としてもありがたい、という声もあったそうだ。

 そこで月1回のサイクルにまとめ、それ以外だと、振り込み可能額が3万円を超えたら自動で入金する「早期振込サービス(自動)」と、任意のタイミングで自由に入金が行える「早期振込サービス(都度)」の2種類のオプションを用意した。

 どちらも月1回なら無料だが、それ以降はPayPay銀行なら1回20円、それ以外の金融機関なら1回200円の振込手数料が発生する。早期振込サービス(自動)は0.38%の自動振込利用料が必要。さらに、2022年4月からは、早期振込サービス(都度)にも0.38%の都度振込利用料が発生する。

 「営業としては改悪」と馬場氏は正直なコメント。ただ、単体で見るのではなく、決済手数料を含めたトータルでの料金を検討したということで、「決済手数料と合計すると他社よりも安いので、総合的に判断してほしい」とアピールする。

 PayPayの決済手数料の狙いは、多大な営業をはじめとしたコストの回収だが、決済手数料自体はベースであり、店舗の集客や利益向上、デジタル化といったサービスによる利益の積み増しを期待する。

 銀行における両替手数料の値上がりで、店舗側の現金コストは増加しており、単に「PayPayが有料化したから現金に戻ればいい」というわけにもいかなくなっている。現金利用の減少によるコスト削減効果に加え、PayPayマイストアによる集客効果が上がれば、決済手数料分を補ったメリットが生まれる可能性もある。

 PayPayはユーザー側のアプリをスーパーアプリ化することで利用シーンを拡大。頻繁に起動してもらえるアプリとして、ユーザーの接触頻度を高めようとしている。利用が増えれば、クーポンや店舗紹介ができるマイストアの効果はさらに高まることも期待できる。

マイストアのサービス拡充が急務

 マイストアの情報の充実も必要だ。多くの店舗がきちんと掲載され、情報が充実していれば、普段の店舗探しにも活用され、クーポンなどの送客効果は高まる。

 店舗側にとっては、新聞折り込みの効果が薄れている昨今、「地元」「リピーター」「しばらく来店がない人」といったきめ細かいクーポンを発行することで、手軽に送客につながる施策が打てるマイストアにメリットを感じる人もいるだろう。「近所にポスティングをしてクーポンを配る」よりもコスト的にも効果的にもメリットがありえる。

 課題は、そこに月額2178円という価値が見いだせるかどうか。まずは2カ月間のPayPayマイストア ライトプラントライアルキャンペーンに加え、最大6カ月間、決済額合計の3%をプラスして入金するキャンペーンも利用することで、半年間の効果を確認することはできる。

PayPay 他社より安価としつつ、値段相応かそれ以上の価値を提供できるか。今後のサービス展開が注目される

 そこで効果が確認できなければ、マイストアの利用をやめる店舗が続出することだろうから、PayPayにとってももろ刃の剣となりうるキャンペーンではある。この半年間で、いかに送客・利益増につながるサービスを生み出せるか、PayPayマイストアへのサービス拡充は急務といえそうだ。

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