「iPhone 13」シリーズを試す 動画撮影が驚くほど楽しく、Proならではの新機能も魅力(2/4 ページ)

» 2021年09月21日 22時00分 公開
[石野純也,ITmedia]
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動画のクオリティーが上がるシネマティックモード、フォトグラフスタイルでの撮影も楽しい

 デザインはキープコンセプトなiPhone 13シリーズだが、カメラ機能は別物といえるほどの進化を遂げている。中でも顕著なのが、動画性能の向上だ。新たに搭載されたシネマティックモードでは、機械学習とカメラの視差を使って測定した深度を使い、動画撮影中に背景ボケを作ることができる。被写体の視線の先にピントを合わせて見ているものを強調したり、背景をボカしたりと、静止画のポートレートモード以上に活用できそうな機能だ。論より証拠ということで、まずはシネマティックモードで撮った動画を見ていただきたい。

モデルが壁の後ろから出てくると徐々に壁がボケていき、近づくとそのボケ具合が大きくなる

 人物が登場した後ピントがそちらに合い、背景がボケていることが見て取れるはずだ。しかもiPhone 13シリーズでは、これをオートでやってくれる。また、撮影中に人物や物体を認識しているため、ピントを合わせたい場所をタップして撮影者の意図通りにボケを作ることも可能だ。Appleのスペシャルイベントでは、映画の撮影を例にこの機能を紹介していたが、日常を記録するような短い動画でも効果は十分発揮できる。以下は「iPhone 12 Pro」で撮った同じ場面の動画だが、背景ボケがないため、人物の際立ち方がやや劣って見える。

iPhone 13
iPhone 13 どこにピントを合わせるかは、iPhone側が判断してくれるため、手軽に撮影できる。画面のように、手動でピントを合わせる人やものを選択することも可能だ
iPhone 12 Proで撮った同じシチュエーションの動画。背景ボケがなく、シネマティックモードの動画を見た後だとやや平たんな印象になる

 iPhoneのカメラには絞りの機能はないが、先に挙げたように機械学習と深度でこれを実現している。そのため、被写界深度を変更したり、後からピントを合わせる場所を変えたりといった操作も簡単だ。動画撮影中に深度情報を記録しておき、リアルタイムでボケを作れるのは「A15 Bionic」の高い処理能力があってこそ。シネマティックモードがiPhone 13シリーズに限定されている理由だ。

 また、Proモデルに搭載されているLiDARを使っていないこともあり、同機能は無印のiPhone 13でも利用できる。目玉になる機能なだけに、シリーズ全体が対応しているのはうれしいポイント。ピントを工夫しながら撮るのは思いのほか楽しいので、ぜひ利用してみてほしい。

iPhone 13で撮った動画はこちら。被写界深度を調整して、ボケを大きくしてみた
iPhone 13 被写界深度の大きさや、ピントを当てる場所は、撮影後に編集で変えることもできる
人物の顔から手前のケーキにピントを移動させることで、ケーキが強調される。ボケ1つで、意図が伝えやすくなるというわけだ

 また、カメラ自体は、先に挙げたようにセンサーサイズが大きくなったことに加え、レンズも明るくなり、より暗い場所でもキレイな写真が撮れるようになった。スペック的にはProモデル2機種の方が高いが、撮り比べると、大きな違いはないようにも見える。一方で、ナイトモードの発動条件には差分もあった。以下の写真がそうだが、iPhone 13や13 miniだとナイトモードに切り替わってしまうため、被写体ブレを起こしやすいが、Proモデル2機種だとそのままシャッターを切れた。

iPhone 13 かなり光量の少ない場所で撮った人物の写真。iPhone 13 Proだと、普通にシャッターが切れた
iPhone 13 1秒だが、iPhone 13や13 miniだとナイトモードに切り替わってしまい、被写体ブレが起こりやすくなっている
iPhone 13 夜間の撮影でも、背景にある程度強い光源があると、どちらも同じように明るく撮ることができた

 また、暗所で撮った写真を見比べると、Proモデル2機種の方が人物の肌が滑らか。無印側はソフトウェア処理でディテールをごまかし気味になっている。スマートフォンサイズのディスプレイで引いて見ると違いが分かりづらいが、PCなどで大きく表示した際には差が出ている。ここは、Proのセンサーサイズやレンズのよさが出た部分といえる。

iPhone 13 iPhone 13 Proで撮った写真。明かりはほとんどないが、肌のトーンが滑らかに出ていて、人物が非常に明るく見える
iPhone 13 こちらはiPhone 13で撮影。パッと見だと上の写真に近いが、拡大すると肌のトーンをごまかし気味になっていることが分かる

 iPhoneのカメラは、機械学習をフル活用してダイナミックレンジを広げたり、色調を調整したりしているが、iPhone 13シリーズからは、そこにある程度自分ならではのチューニングを加えられるようになっている。フォトグラフスタイルがそれだ。フィルターのように写真全体を変えてしまうのではなく、被写体を分析し、人の肌のトーンなどはそのまま残しているのが特徴だという。フォトグラフスタイルは、あくまでソフトウェアを使った機能だが、利用できるのはiPhone 13シリーズのみ。処理能力が追いつかないためか、iPhone 13ならではの売りを作るためかは不明だが、写真を好みに近い形に仕上げられるのは便利だ。

iPhone 13
iPhone 13
iPhone 13
iPhone 13 フォトグラフスタイルで、写真の仕上がりを調整することができる。この機能が利用できるのも、iPhone 13シリーズだけだ

 以下に掲載したのが、それぞれのフォトグラフスタイルを適用して撮った写真になる。標準でも十分キレイには見えるが、より花の色を派手に見せたいときには「鮮やか」を、クッキリとした濃淡が欲しいときは「リッチなコントラスト」を選んでもいいだろう。また、それぞれのモードで「トーン」と「暖かみ」のパラメーターを手動で調整することも可能だ。唯一の“正解”を出していたこれまでのiPhoneに対し、iPhone 13シリーズは写真にユーザーの好みを反映しやすいというわけだ。

iPhone 13 標準
iPhone 13 リッチなコントラスト
iPhone 13 鮮やか
iPhone 13 暖かい
iPhone 13 冷たい

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