インタビュー
» 2021年10月14日 06時00分 公開

「新料金プランの220円値下げ」や「キャリアの端末販売」の狙いは? イオンモバイルに聞くMVNOに聞く(2/3 ページ)

[石野純也,ITmedia]

差別化はデータ通信の料金を軸にしている

イオンモバイル イオンリテールの住居余暇本部 アプライアンス商品部 モバイルユニット イオンモバイル商品マネージャーの井原龍二氏(2021年4月撮影)

―― 音声接続によって通話料も下がりますが、これについてはいかがでしょうか。

井原氏 もともとイオン電話が30秒11円で、通話料を気にされる方はそちらで電話をかけていました。とはいえ、結構な割合で利用していない方もいました。割合で言えば、通常の通話アプリからの発信の方が多いぐらいです。請求を見てから「あれ?」と思う方が相当数いたのだと思います。イオンモバイルは9月10日から30秒11円に変更しましたが、それに合わせてau回線も9月から新料金になっています。

―― auについては、音声接続ではないと思いますが、なぜ値下げできたのでしょうか。

井原氏 標準の料金自体が下がり、従量課金部分が30秒14円ではなくなったようです。それに合わせて、基本料金も下がりました。au回線でオートプレフィックスをやれていないのは、現状だとSIM交換が必要になってしまうからで、今のまま切り替えられるようになれば、いずれは音声接続になっていきます。

―― 卸価格が下がったのであれば、無理に音声接続にする必要性は薄いと思いますが、そこにこだわる理由はなぜでしょうか。

井原氏 かけ放題をやるには、プレフィックスが必要だからです。それもあり、au回線の音声通話も値下げはしましたが、かけ放題に関してはアプリを使ってくださいとなっています。消費者保護や使い勝手の面でも、やはりプレフィックスの方がいいですね。

イオンモバイル 月額1650円の「フルかけ放題」を11月中旬に提供する予定

―― 料金自体の値下げに比べて、通話料はあまりアピールしていない印象も受けましたが、どの程度売りになるとお考えでしょうか。

井原氏 基本的に、差別化はデータ通信の料金を軸にしています。(通話料も入れると)差別化の軸が2つになってしまうので、なかなか難しい。今の市場はデータ通信の料金の関係が差別化要因になっているので、アピールしづらい側面があります。ただし、MNOは30秒21円のままなので、かけ放題に入らない状態ではMVNOの方が安くなりました。その意味で、対MNOとの差別化にはいいと思っています。

サブブランドやahamoなどの影響もあって6月以降は苦戦

―― 4月1日に料金プランを改定しましたが、その後の動きはどうでしたか。10月の値下げとは、何か関係があるのでしょうか。

河野氏 3月の春商戦は年間で一番盛り上がるタイミングですが、今年(2021年)はMNPの獲得が非常に厳しかった。4月に「さいてきプラン」を導入して以降、MNPが伸びました。ただ6月以降、コロナ禍で来店が減っていることもあり、ECは絶好調ですが、店頭でのMNP獲得は苦戦しています。8月に料金値下げを発表して以降、特にプロモーションをしているわけではありませんが、問い合わせは増えているので期待しています。

井原氏 容量別で言うと、特に20GB以上のプランに入る方が増えていて、その傾向は4月以降、ずっと続いています。増え方も、何倍というレベルです。これは、各社がオンライン専用プランを出し、20GBという数字が一般的になったからかもしれません。

―― 6月以降の店頭が苦戦したのは、コロナ以外で何か理由があったりするのでしょうか。

河野氏 サブブランドが値下げしてきたことや、ahamo、povoなどの新料金がスタートした影響だと思います。大手キャリアからイオンモバイルに来ていたような方々が、ソフトバンクからY!mobileに移ったり、auからUQ mobileに変更したりと、同じ会社の中でプラン変更してしまうようになりました。背景には、やはりサブブランドが値下げしたことで、私どもとの価格差が小さくなってしまったことがあると思います。

井原氏 (同一会社のブランド変更に)MNP転出の手続きすらいらなくなってしまったので、そこが痛いと言えば痛いですね。

河野氏 端末の安さも大きいと思います。非常に安く販売されている端末がありますが、われわれにはその原資がありません。

井原氏 6月ぐらいから、iPhone SEが週末だけ安くなっているといったことがあり、その影響もあります。

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