インタビュー
» 2021年10月14日 06時00分 公開

「新料金プランの220円値下げ」や「キャリアの端末販売」の狙いは? イオンモバイルに聞くMVNOに聞く(3/3 ページ)

[石野純也,ITmedia]
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iPhoneは「安いのはこのキャリア」という売り方になる

―― そんな中、イオンモバイルでキャリア端末とのセットも提案していくというお話がありました。これは、いつ頃から本格化していくのでしょうか。

イオンモバイル キャリア代理店の強みを生かし、キャリアが扱う端末もイオンモバイルとセットで販売する

井原氏 現実的には、既にやっています。例えば、週末に安くなったiPhone SEに便乗して、WAONをプレゼントするといった企画もやっています。発表会の際には、回線との検証はやっているのかという質問をいただきましたが、買っていただいた後、安心して使える環境整備を含めて着手しています。10月1日からは、もう少し売りやすい環境を作って始めていければと考えています(※インタビューは9月に実施)。

―― iPhoneは4キャリアから発売され、違いと言えば価格ぐらいです。これはどうやって売っていくのでしょうか。

井原氏 一覧表のようなものは作らなければいけないと考えています。おっしゃる通り、iPhoneだとキャリアごとのスペック差はありません。Androidには微妙な対応バンドの差がありますが、iPhoneに関しては「安いのはこのキャリア」というような売り方になると思います。お客さまには、今までになかった買い方ができることは、しっかり案内していきたいと考えています。割賦はキャリアで組み、回線は別事業者というのも一般的になってくると思います。キャリアはやりたくないと思いますが(苦笑)。

―― 他社に流れるのを防ぐために本体価格が上がるというようなことは起こらないでしょうか。

井原氏 一瞬危惧はしましたが、値引きが2万2000円までに制限されているので、上げれば上げるほど自分たちが売りづらくなってしまいます。自分で自分の首を絞めるだけなので、やらないのではないでしょうか。

―― iPhoneはいいですが、先ほど井原さんがおっしゃっていたように、Androidにはバンド違いの問題が残されています。当初は、回線種別ごとにお勧めしていくような形になるのでしょうか。

井原氏 イオンモバイルにはドコモ回線とau回線があるので、ドコモ回線の方にはドコモ端末といった勧め方ができます。Pixelのように、対応バンドの多い端末もあるので、その辺を今後検証していき、ソフトバンク端末であっても推奨できるものはしていく予定です。

―― 代理店事業の方に、やめてくれというようなお話は来なかったのでしょうか。

河野氏 そういったお話には一切なっていません。発表時には敏感に反応されて、「どのぐらい販売される計画でしょうか」という探りのようなお話はいただきましたが、計画はお出しできないと回答しています。

―― そこは割と自由にやれるということですね。

河野氏 おっしゃる通りです。われわれは2015年にXperiaを発売し、富士通(現FCNT)や京セラ、後はVAIO Phoneもやりました。お客さまが欲しがる端末は、何とか自社で調達してきました。残念ながらロットが小さいので、メーカー側から卸していただくなり、エクスクルーシブ(独占)モデルの販売はできなくなってしまいましたが。ただ、接客していく中では、どうしてもXperiaやGalaxyが欲しいという方がいます。制度が変わってようやくそれができるということで、やるべきこととして準備を進めています。

―― 今のお話だとXperiaやGalaxyを例に挙げていましたが、iPhoneよりそちらのニーズの方が高いのでしょうか。

河野氏 いや、やはりiPhoneです。iPhoneはApple Storeや大手家電量販店でも販売されていますが、地方によっては近くにショップがないということもあります。われわれは本州だけでなく、北海道や九州、四国まで店舗展開できているので、そういったニーズにおこたえできます。

井原氏 結果として、全ての通信事業者で一番品ぞろえが多いということになります(笑)。SIMロック解除が原則になった今、端末分離がユーザーにとってどういう意味を持つのかを誰も発信していません。その制度の結果として、端末が自由に買えるようになったというメッセージは発していく必要があります。自分が使っている事業者に縛られる必要はないと思っていただけるようにするのが、大きな目的です。

―― 保証サービスのようなものはどうされていくお考えでしょうか。

井原氏 キャリア端末というのは、あくまでキャリアの型番がつき、キャリアがメーカーとして販売するものです。そのため、修理などの対応はすると言っています。一方で、補償の仕組みは作っていきたいですね。端末のみの場合でも補償サービスを提供しなさいということは総務省も言っているので、もう少し状況が整理されれば、われわれの方でも提供することはできます。キャリアと相談しなければいけないことですが、われわれとしてもメニューは作っていきたいと考えています。

取材を終えて:端末の単体購入が浸透する可能性も

 4月の料金改定後も、MNPでは苦戦が続いていたというイオンモバイル。10月の再値下げで料金水準はMVNOの中でも見劣りしなくなるだけに、反転攻勢を期待したいところだ。イオンという強力な販路を持つMVNOなだけに、ポテンシャルは大きい。現状の契約者数からは、その実力がまだまだ十分に発揮されていない印象も受ける。

 キャリア端末とのセット販売も、注視しておきたい取り組みだ。理屈の上では成り立つ仕組みだが、イオンモバイルのようなMVNOが旗振り役になれば、端末の単体購入がユーザーに浸透する可能性もある。政策の変化をきちんと追い、すかさず販売施策に結び付けた動きの速さは、イオンモバイルを評価できるポイントといえそうだ。

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